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プライベートクレジット業界への頭脳流出続く-高額報酬に魅力

記事を要約すると以下のとおり。

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1兆7000億ドル(約246兆円)規模のプライベートクレジット市場は、ウォール街にとって脅威ではない。ロンドンでこの夏開催された金融業界会議の参加者に対し、投資銀行業界の幹部4人がこのような説得を試みた。それからわずか3カ月後、そのうち2人が新しい資産クラスでの成功を求めてプライベートクレジット業界に転職した。
  ゴールドマン・サックス・グループのルーク・ギラム氏とバンク・オブ・アメリカ(BofA)のムラド・ハレド氏はそれぞれ、アルバコア・キャピタルと
アポロ・グローバル・マネジメントへの移籍が決まっている。頭脳流出は、銀行が伝統的に優位を保ってきた収益性の高い企業向け融資の分野にプライベートクレジット業界が持続的な脅威をもたらしつつあることをあらためて示している。
  ブルームバーグ・ニュースの概算によると、金利上昇により資本市場が混乱して以来、欧州ではギラム、ハレド両氏を含む少なくとも20人のシニアバンカーが転職している。プライベートクレジットの台頭で先行している米国でも、バークレイズのトム・ブルーイン氏のような著名なレバレッジドファイナンス専門バンカーが相次いで転職した。
  パラゴン・サーチ・パートナーズのヘッドハンター、ハリー・オリバー氏は「プライベートクレジットの大型ファンド、いわゆる『メガ』ファンドがレバレッジドファイナンス業界から人材を採用しようとする意欲に変化が見られる」と述べた。

ムラド・ハレド氏(左)とトム・ブルーイン氏
Source: Murad Khaled and Blackstone  多くの銀行は、企業買収向けに数十億ドルの融資を提供した後、ここ数年の金利急上昇の中でその債権を処理できず苦境に立たされた。シンジケートローンを組む銀行と異なり、借り手企業に直接融資するプライベートクレジット業者が、その機敏な動きで大きな市場シェアを獲得した。現在はウォール街がいくつかの優良案件を取り戻し直接融資の熱狂は
落ち着きつつあるが、バンカーの離職は続いている。欧州では加速しており、米国でもさらなる流出が予想される。

  ボーナスが減ったバンカーたちは、高額報酬を約束する契約に魅了される。プライベートクレジット業者との契約にはしばしば、会社が得る成績連動報酬の分配が含まれている。またルールに縛られることが多くなった投資銀行よりも自由度の高い市場のホットな分野で働くチャンスもある。転職したバンカーらが匿名を条件にブルームバーグに語った。労働時間が短いことも魅力の一つだという。
  「プライベートクレジットファンドに関心のあるレバレッジドファイナンス担当バンカーは以前から多かったが、2023年の期待外れな銀行の報酬パッケージによって、優秀な候補者に対して魅力的な待遇を提示することが容易になった」とオリバー氏は解説。事情に詳しい3人の関係者によると、一部のプライベートクレジット業者は株式報酬もちらつかせている。株式報酬は直接融資の分野に最初に転身したパイオニアたちに、人生を変えるほどの
富をもたらした。
  欧州では、転職したバンカーがブラックストーンやアルバコアといった企業で指導的立場に就いている。 欧州のプライベートクレジット業界は誕生から日が浅く、より早く出世の道が開ける。また、各社は最も魅力的な案件の獲得競争を始めたばかりだ。

  一方の米国では、以前は育てやすいジュニアバンカーをターゲットとしていたが、シニアバンカーの採用に乗り出しているプライベートクレジットファンドが多いと、人材紹介会社セルビー・ジェニングスの上級副社長、スカイ・ルーカス氏は述べている。「今、優秀な人材が確かに求められている」という。

  企業買収で借入金に頼る大手バイアウト企業とのつながりを持つ人材は、特に人気がある。こうしたつながりがあれば、より大きな案件を銀行から奪うことに貢献し得る。
  法律事務所マクダーモット・ウィル・アンド・エメリーのマネジングパートナーでトランザクション共同責任者のアイメン・マームード氏は「プライベートクレジットは、人と人とのつながりを大切にするビジネスだ」とし、一部の「バンカーは大手プライベートエクイティー投資会社と強固な関係を築いているため、プライベートクレジット会社がそうした人材を採用するのは非常に理にかなっている」と話した。

Private Credit's Rapid Growth
Assets under management expanded significantly in recent years

Source: Preqin
Note: 2023 is through September. All other years are through December

  元バンカーたちは、プライベートクレジット業界では、歯車の一つとしてではなく、より現場に近いところで仕事ができると言う。また、取引から利益が得られれば、より大きなシェアが自分のものになる。これに対し、ロンドンのシティーやウォール街では自行内の他の部署で何か問題が起こったためにボーナスが消えることもある。
  業界の動きに詳しい関係者は、銀行が人材を失う理由の一つとして、業績の悪い時期に報酬面で競争する意欲がないことを挙げる。好況期には、レバレッジドファイナンス担当バンカーはプライベートクレジット業者の従業員よりも多く稼ぐ可能性があるが、この数年間は厳しい状況が続いている。企業の合併・買収(M&A)が低迷する時期には、バンカーは代わりにリファイナンス業務に従事することになるが、その手数料ははるかに低い。
銀行の反撃
  最近はM&A市場に活気が戻り、中央銀行が金融政策を転換し始める中で、投資銀行は直接融資業者の台頭に対して、反撃を強めている。
  銀行は今週、サノフィの消費者向けヘルスケア部門の買収を支援するための100億ユーロ(1兆6200億円)余りの
取引の大半を獲得した。KKRによるヘルスケア分析会社コティビティの株式取得に向けた資金調達では銀行主導で50億ドルのレバレッジドローンのパッケージを取りまとめた。
  業界関係者の一部は、銀行からの頭脳流出は一時的な限界に近づいているかもしれないと指摘している。先行する米国ではその傾向が強い。

  コンサルティング会社
クリストフ・ツァイス・パートナーズのマネジングパートナー兼オルタナティブ部門グローバル責任者、ケビン・マホーニー氏、人材流出は「新型コロナウイルス禍で加速し、昨年初めまで続いた。間もなく次の波が訪れると予想している」とした上で、「多くの銀行はすでに、レバレッジドファイナンスの優秀なバンカーの多くをプライベートクレジット会社に奪われている」と指摘した。
  プライベートクレジットの急速な拡大がより高いハードルに直面していることを示す兆候はほかにもある。利下げ開始により、直接融資業者が提供する変動金利ローンの債権は、銀行が販売する固定金利の高利回り債よりも魅力が薄れる可能性がある。同時に、景気減速の脅威が影を落とし取引の流れを止める恐れがあり、借り手のデフォルトリスクが高まっている。
  それでも、プライベートクレジットの最も声高な批判者たちでさえ、この資産クラスが今後も残ることを認めている。そして、業界幹部がさらに大きな報酬を約束し続ける限り、野心的なバンカーたちは誘惑に駆られるだろう。
  「長期的に見れば、バイサイドで働く方が投資銀行で働くよりも多くの報酬が得られる」と、リクルーターのルーカス氏は結論付けた。
原題:
Top Bankers Chase a Big Payday by Defecting to Private Credit(抜粋)

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[紹介元] ブルームバーグ マーケットニュース プライベートクレジット業界への頭脳流出続く-高額報酬に魅力

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