マクロ観測的な視点から世界各国・地域のさまざまな金融商品を売買するマクロヘッジファンドが、ドル以外の通貨オプション取引の選好を強めている。
これらファンドが米経済を巡る懸念から生じた市場の混乱に対応する中、10日にはユーロや安全資産とされる円のトレードに需要が集まった。 米テクノロジー株の指標が2022年以来の
大幅安となった中、米証券保管振替機関(DTCC)によると両通貨が最も多く取引され、全取引の半分余りに関わった。
モルガン・スタンレーのストラテジスト、ゾーイ・ストラウス氏とデービッド・アダムス氏は10日、オプション取引のデータを引用し、ユーロのロング(買い持ち)が20年以来の高水準に達しているとリポートで指摘した。
これに先立ちドイツの次期首相就任が確実視されるメルツ氏が、同国を財政緊縮路線に追い込んでいた状況から
解放する考えを示したのに伴い、ユーロは急上昇していた。
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が利下げを急いでいないと示唆したことも、ユーロや円をトレードする魅力を高めた可能性がある。一方、米関税賦課の脅威が来月に迫り、多くの通貨が再び圧力にさらされる可能性もある。
バークレイズのアジア外国為替オプション責任者、ムクンド・ダガ氏(シンガポール在勤)は、アジア通貨や資源国通貨に対するユーロのトレードが「マクロヘッジファンド業界で多くの関心を集めている」と指摘。具体的には、豪ドルやカナダ・ドル、オフショア(中国本土以外の市場)の人民元に対するユーロの取引への関心が高まっているとした。
米ドル以外の通貨と円とのトレードも、需要が見られた。
ノムラ・インターナショナルのシニア外国為替オプショントレーダー、サーガル・サンブラニ氏(ロンドン在勤)は円高の勢いがやや弱まり、インプライド・ボラティリティー(IV、予想変動率)は依然として高い水準にあるものの、株式相場の低迷が続いているため対円で他の通貨の下落に賭けることへの関心が「一段と高まっている」と指摘した。
関連記事
ウォール街、リスクから撤退の流れ-トランプ氏の政策の影響を懸念
独首相有力のメルツ氏、メルケル氏の遺産破棄-支出余力を解放
原題:
Macro Funds’ Options Trades Are Increasingly Ditching the Dollar(抜粋)





