マーケットメーカーの
シタデル・セキュリティーズは、引き受け幹事や発行体が新発債の条件を発表してから数分以内に、社債取引の価格を提示することを開始した。これにより、ヘッジファンドなどの短期投資家は銀行から割り当てられた高格付け債をすぐに転売できるようになった。
シタデル・セキュリティーズは約1年前から、正式な取引が始まる前に債券を売買できる「グレーマーケット」での取引を手掛けてきた。今月からは「グレー・トレーディング・パネル」と呼ぶ仕組みを導入し、新発債案件で同社が売買に応じる価格を投資家に提示している。クレジット取引責任者のサム・バーベリアン氏によると、従来は投資家が直接電話で問い合わせ、同社が応じるかどうかを確認する形で取引を仲介していた。
企業の社債発行を取りまとめる銀行は、条件決定からおよそ1日間は当該証券の売買ができない。シタデル・セキュリティーズは、自社の価格モデルとリスク分析を活用し、この不透明で非効率とみる市場部分で投資家の売買を仲介している。同社は自社のバランスシートを使って取引に臨んでいる。
バーベリアン氏はインタビューで、新発債は販売直後に取引量が急増し、その後数日で急速に減少する傾向があると指摘した。
顧客はグレー取引の期間中に「すぐ流動性にアクセスする強い動機がある」一方で、「この期間はこれまで、気配値や情報が断片的で不十分な状態だった」とも語った。
シタデル・セキュリティーズ
Photographer: Michael Nagle/Bloomberg 今回の取り組みは、シタデル・セキュリティーズが社債取引部門の強化を進める一環だ。同社は昨年、投資適格級社債の取引を仲介する事業を開始。ウォール街の大手銀行やジェーン・ストリートなどのマーケットメーク大手との競争に挑んでいる。
現状でも、一部の証券会社や電子取引プラットフォームを通じて、投資家は新発債の正式な取引開始前に初期価格を確認し、市場動向を分析できる。ただ、そうしたプラットフォームは自らの資金を使って取引することはなく、通常は売り手と買い手を引き合わせる場を提供するにとどまる。
コーリション・グリニッチで市場構造・テクノロジー調査部門を率いるケビン・マクパートランド氏は「グレーマーケット取引は、投資家やディーラーにとって発行予定債の市場センチメントをより正確に把握する助けとなり、発行体にとっても適正な水準で資金調達できているかを確認できる」と話す。
バーベリアン氏によれば、新しいプラットフォームではシタデル・セキュリティーズが自らのリスク許容度に基づき、新発債をどの水準で売買するかを投資家に示している。取引の下限は500万ドルで上限は設けていない。また、価格の最新情報と併せて、データやトランシェ規模などの発行条件も表示される。このパネルはブルームバーグ・ターミナル上で提供されており、ブルームバーグ・ニュースの親会社が手掛ける製品だ。
原題:
Citadel Securities Starts Posting Prices for Credit Gray Market(抜粋)






