ソフトバンクグループは26日、5000億円の個人向け社債の発行条件を決定した。利率は年3.98%で、同社が発行する円建て普通社債としては過去15年間で最高水準となった。
公表された書類によると、発行するのは償還期限7年の無担保社債で、利率は仮条件(年3.5-4.1%)の上限付近で決まった。資金使途は、米
OpenAIへの追加出資に伴い借り入れたブリッジローンの返済資金の一部に充てるという。
利率が記録的高水準となった背景には、5000億円の大型起債に加え、日本銀行の追加利上げや政府の財政拡張観測に伴う国債利回りの上昇がある。同社にとって調達コストの上昇につながる半面、社債市場では企業による個人マネーの争奪戦が激しさを増している。
野村証券の荻野和馬シニア・クレジット・アナリストは、ソフトバンクGは国内で最大規模の社債発行体であり、一般的に社債を頻繁に発行する企業や大型の新発債を組む場合は「円滑に販売するためスプレッドをやや厚めに設定することがある」と述べた。
ブルームバーグの集計によると、2025年の日本企業による円建ての個人向け社債の起債総額は26日時点で2兆7900億円に達し、過去最高を更新している。
荻野氏は、企業の社債発行が記録的な水準となる中、需給の逼迫(ひっぱく)で機関投資家向けのホールセール債の発行が難しくなり、個人向けでの調達を増やす動きが目立ってきたと指摘。「金利がついてきたことで、個人も社債に投資魅力を見いだしている」と話す。
ソフトバンクGの7-9月期(第2四半期)連結決算は、人工知能(AI)分野への投資効果で
純利益は2兆5022億円と前年同期と比べ大幅増益となった。利益のけん引役はビジョン・ファンド(SVF)で、OpenAIなど投資先の未公開株の評価益が膨らんだ。
一方、足元ではAI関連株の上昇が一服しており、保有資産の評価に今後影響が及ぶ可能性がある。ソフトバンクGの
株価は11日の決算発表以降に3割程度下落。信用リスクを示すクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の水準も拡大し、約4カ月ぶりの高水準となっている。
荻野氏は、AI関連投資についてグローバルに「強気な見方と慎重な見方が交錯しており、セカンダリー市場にも影響している」と指摘した。
関連記事
ソフトバンクG、米アンペアの買収完了-業績への影響は現在精査中
ソフトバンクG株が続落、オープンAIの競争環境激化に懸念との声
ソフトバンクG、2Q純利益はAI好調で大幅増益-エヌビディア株売却
日本企業の海外資金調達が20兆円、外債急増-世界の信用市場で新潮流
ソフトバンクG、外貨建て劣後債で4300億円超を調達-発行拡大
— 取材協力 Atsuko Fukase
(第2段落以降に資金使途、アナリストのコメントなどを追記しました)






