米債券運用大手のパシフィック・インベストメント・マネジメント(ピムコ)は、日本銀行が年明けにも追加利上げに踏み切るとみており、今後の金融政策の変更や需給悪化を織り込む超長期国債に対し積極的に投資する構えだ。
ピムコジャパンリミテッドの日本債ポートフォリオ・マネジャーを務める覚知禎氏は8月30日のインタビューで、8月上旬に金融市場が不安定化したが、日銀が金融政策の正常化を進める方向性は変わらないと述べ、「次の利上げは早ければ来年1月」と予想した。超長期債については投資価値の観点から水準訂正がかなり進み、妙味が高まっているとの見方も示した。
超長期債のフォワード金利が3%を超え、2013年の異次元緩和導入前の水準に達していることはその証左だ。イールドカーブを見ると、通常は超長期にいくほどフラット(平たん)化する傾向があるが、依然としてスティープ(傾斜)化の状態にある。覚知氏は、期間の長い国債を買う「デュレーションニーズがない表れだ」と指摘し、「そこは少しずつリスクを取るチャンスだ」と言う。
超長期債の足元の需給は悪化している。主要投資家の生命保険会社から25年度適用の規制に対応する買い需要が一巡したためだ。さらに日銀も7月に国債買い入れの減額計画を
発表し、財務省は国債発行の年限短期化を
検討し始めた。
ただ覚知氏は、来年度は超長期国債の発行が減額されると予想しており、「半年ぐらいで需給バランスは改善していく」とみている。超長期債に投資家需要が戻れば、債券市場全体の安定につながる可能性がある。
年内の相場環境を見渡すと、国内では自民党総裁選、海外でも米国経済の動向や利下げの行方など不確実な要素が多い。それでも覚知氏は、国内の経済・物価情勢が日銀の見通し通りなら「利上げを淡々と進める必要はある」と分析。25年の早い時期の追加利上げを前提とすれば、現在の短中期国債の利回り水準は投資価値を回復できていないとの認識を示す。
8月初めの相場混乱時と比べれば、債券市場のボラティリティーは足元で落ち着いてきた。しかし覚知氏は、日銀が「正常化を始める前に比べると高い状況が続く」とし、国債入札に絡み相場が乱高下する場面も増えるみている。その上で、「アクティブ運用をやっているわれわれにとっては、ボラティリティーがないよりは良い」とも述べた。






