フランス債は、同国の政局や財政を巡る懸念が沈静化し、今週は一時的に落ち着いている。だが、迫り来る信用格付けの決定が、市場にさらなる不確実性を再注入するリスクがある。
ムーディーズ・レーティングスと
S&Pグローバル・レーティングスは、今後6週間の内にフランス債格付け見直しを行う。格下げが発生した場合、超厳格な投資基準を持つ債券ファンドは、保有するフランス国債を売却せざるを得なくなる可能性が高い。
ブルームバーグが入手した文書によると、
ブラックロック、
バンガード・グループ、
リーガル・アンド・ジェネラル・グループなど複数の企業が、保有する証券が主要格付け機関による平均格付け「AA」以上を目標とする商品を運用している。
フランス債はこの基準を満たせなくなる恐れがある。フィッチ・レーティングスは既にフランスの信用格付けをこの水準以下に引き下げた。投資家や懸念を抱くS&Pとムーディーズは、現在はフランス債を「AA」としているが、今後の見直しでフィッチ同様の措置を取る可能性がある。
UBSグローバル・ウェルス・マネジメントのフランス担当最高投資責任者、クラウディア・パンセリ氏は「平均的なソブリン信用格付けが低下すれば、投資家がフランス債を保有のために要求する利回りプレミアムは、さらに上昇する可能性がある」と述べた。また、「格付け制約のある投資家による、潜在的な強制売却」の可能性についても警告した。
フランスは欧州最大の政府債務発行国で、発行済み債券は3兆ユーロ(約530兆円)に迫る。欧州債券配分において相当な割合を占めており、厳格な規則を持つファンドマネージャーにとってはリスクが高い。
仮に格下げされても、大半のファンドは引き続きフランス債へ投資が可能だ。だが、資金流出のリスクは、既に市場の憶測の対象となっており、今週の債券相場の反発を懐疑的に見る向きもある。
ルコルニュ首相は定年年齢の引き上げを伴う年金改革法の施行停止などにより、社会党の支持を確保し、解散総選挙のリスクを回避した。ルコルニュ氏は、16日の2回の不信任投票を乗り切る見通しだ。
この譲歩は、今週の市場押し上げに寄与した一方で、財政再建への道のりを複雑化させることになる。格付け機関はこの点を強く懸念している。実際、ムーディーズは昨年、年金改革の撤回が「信用力にマイナス」となり得ると警告していた。
先週ソシエテ・ジェネラルが実施した顧客調査によると、回答者の約80%が、年末までに少なくとも1社がフランス債を格下げすると予想している。高格付け資産を求める中央銀行準備金運用機関などの外国公的機関や、一部の年金基金など、リスク回避傾向が最も強い資産保有者にとっては潜在的な問題だ。
ウニクレディトのトゥリア・ブッコ氏率いるチームは「フランスが追加格下げを受ければ、外国中央銀行からの需要減につながる」と指摘した。
原題:
French Bonds Face Risk of Forced Sales If Credit Score Cut Again(抜粋)
— 取材協力 Zoe Schneeweiss






