ヘッジファンド業界ではマルチ戦略型など最大手のファンド会社が6月も好調を維持。トランプ米大統領による関税措置やイスラエル・イラン間の戦争で世界の市場が混乱する中で、1-6月(上期)を順調に乗り切った。
事情に詳しい関係者によれば、ショーンフェルド・ストラテジック・アドバイザーズの「ファンダメンタル・エクイティー」ファンドは6月に2.5%上昇。主力のマルチストラテジー型ファンド「ストラテジック・パートナーズ」も1.1%のプラスとなった。
バリアズニー・アセット・マネジメントは2.4%のリターンを記録し、マーシャル・ウェイスが運用する260億ドル(約3兆7000億円)規模の「ユーリカ」ヘッジファンドは6月1日から27日までで6%上昇し年初来の損失を全て取り戻したという。非公開情報だとして関係者は匿名を条件に語った。
ダイモン・アジア・キャピタルのマルチストラテジーファンドは6月に2%のリターンを上げ、上期の非常に好調なヘッジファンドの一つとしての地位を固めた。シタデルの主力ファンド「ウェリントン」も6月に1.7%上昇した。
一部資産クラスの激しい値動きの中での好成績は、ヘッジファンドが市場の変動を乗り切る能力の高さを示した。
S&P500種株価指数は2月中旬から4月中旬の間に一時20%近く下落したが反発し、6月末までに過去最高値を更新。原油価格も、先月のイスラエル・イラン紛争で一時急騰したものの、停戦合意を受けてすぐに値下がりした。
LGTキャピタル・パートナーズのパートナー、ロジャー・ヒルティ氏は「今年の市場のボラティリティーと関税を巡る混乱は、マクロ環境の厳しさで苦戦したトレンド追随型を除き、ヘッジファンド業界全体のパフォーマンス向上につながった」と指摘した。
「機械学習を活用するヘッジファンドが特に好調で、個別銘柄選択型やクレジット重視型も、市場の分散によって恩恵を受けた」という。
マーシャル・ウェイスのユーリカは過去最高クラスの月間リターンを記録した。ステーブルコイン発行企業サークル・インターネット・グループへの早期の投資が奏功した。サークル株は好調な新規株式公開(IPO)を経て急上昇している。
米国の関税発表やその後の停止などに伴う市場の揺れを、マルチストラテジー型ヘッジファンドはおおむねうまく乗り切り、損失を最小限にとどめた。
その後、市場が落ち着くにつれてリターンが改善し、多くのファンドがマルチストラテジー型の長期平均リターンに並ぶペースにある。
ヘッジファンド調査会社ピボタルパスのジョン・カプリス最高経営責任者(CEO)は「厳しい局面が続く中でも、マルチ戦略ヘッジファンドは総じて巧みに運用してきた」と述べた。
全てのファンド会社の広報担当者はコメントを控えた。
6月と1-6月の各ファンド成績(6月成績順に表示)
原題:
Biggest Hedge Funds Extend Gains During Chaotic Six Months(抜粋)
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