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人口97%減のゴーストタウン、高校野球が救う-韓国・地方創生の軌跡

記事を要約すると以下のとおり。

夏の終わり、韓国を横断するドライブは静寂に包まれる。
半導体などに使われるレアメタル(希少金属)であるタングステンの鉱山が30年前に閉鎖され、苦境が続いてきた地域だ。
米国の国民的アイデンティティーの一つだ。
影響は上東にも及んでおり、人口は半世紀前のピーク時から97%減り、1000人程度にまで落ち込んだ。
その翌年度は、新入生が1人もいなかった。
この問題に数兆ウォン規模の資金を投じている。
韓国南西部では、エリートを養成する高校のゴルフプログラムが立ち上げられた。
地元高校の卒業生2人は、国民の野球愛を生かそうとした。
ここ50年で成長を遂げ、複数の指標で最も人気のあるスポーツとされている。
 メジャーリーグで活躍するスター選手も出てきて、野球人気は急上昇している。
他では得られない熱狂的でエネルギーにあふれた体験を求め、観客は試合に押し寄せている。
花火や水を使った演出も見られる。
エネルギー産業や鉱業のための人材育成プログラムの開発といった提案も検討したが、見送った。
 年間5億ウォン(約5300万円)と見積もられたコストのため、提案は容易には受け入れられなかった。
授業を受けるサンドン高校野球部のメンバーら(8月)Photographer:SeongJoonChoforBloomberg  しかしチョさん(59)にとって、最も優先すべきは資金集めでもマーケティングでもなく、監督を探すことだった。
 そして選手の勧誘こそが、チョさんの計画を成功させる鍵だった。
韓国のトップリーグでは通算1000試合超に出場。
かつて野球のユニホームを製造する会社に5年間勤めていたからだ。
 チョさんは、かつての上司を通じてペク氏との面会を取り付け、著名な元選手らにも口説き落とすのを手伝ってもらった。
選手を含め「何もかもが全く足りない」状態だったという。
「ゼロからのスタートだった」。
有望な生徒たちへの売り込みも分かりやすいものだった。
プログラムには現在、喫煙を理由に退学となった2人を除く38人の生徒が所属している。
ペク氏は数カ月かけて全国を回った。
さらに重要な成果もあった。
2人は、町長のオム・ギョンオク氏と協力して地元の政治家や企業、住民を巻き込み、資金面や行政面でのさらなる支援を求めた。
チョさんのキムチ会社「ソムシガ」は、学校と野球場の間を往復するチームの送迎用に、バスを寄贈している。
こうして2人は、上東の人たちの心をつかんだ。
 「ここに残っていたのは、出ていくことができなかった人たちだけだった。」
 上東はかつて、地元鉱山の国営企業、韓国タングステンのおかげで、韓国で最も豊かな町の一つだった。
数千人の雇用が失われ、町は衰退の道をたどっていった。
今季は、全国選手権で100超のチームの中でベスト16入りを果たしている。
翌年に向けて、15人の募集枠に対して30人の志願者が集まった。
今年、町の人口は10年ぶりに増加に転じ、1000人を上回った。
チームに毎日朝食と夕食を提供する飲食店が生まれ、新たな住民を受け入れるため住宅の建設も始まった。
学校には新たな有力な支援者が加わった。
「子供たちは通りすがりの人を見かけると、いつも大きな声であいさつする。」

[紹介元] ブルームバーグ マーケットニュース 人口97%減のゴーストタウン、高校野球が救う-韓国・地方創生の軌跡

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