財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は27日公表した財政運営に関する提言で、日本国債の格下げリスクに警鐘を鳴らした。財政に対する市場の信認を維持するためには、基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)を一定程度黒字に保ち続ける必要があるとしている。
提言では、米格付け会社ムーディーズ・レーティングスがフランスや米国の国債格付けを引き下げた動きを財政への信認が揺らいだ事例として触れ、日本国債の格下げも「決して非現実的な話ではない」と警告した。規律ある財政運営を内外に示すには、2025年度から26年度にかけて可能な限り早期のPB黒字化を目指し、その後も一定の黒字幅を確保すべきだと訴えた。
提言は、6月に策定する「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」に先立ち、毎年この時期に取りまとめている。
国内では参院選を前に与野党で消費税減税を巡る議論が活発化するなど、税や財政の在り方を巡って関心が高まっている。金利の上昇局面で国の利払い費が増えて他の政策的経費が圧迫されれば、行政サービスの持続性に懸念が生じる可能性があり、提言では「一層の緊張感を持って財政運営に臨む必要がある」と説いた。財政健全化への取り組みの重要性を改めて強調した格好だ。
数値目標
日本銀行による利上げや国債買い入れの縮小が進み、日本国債の金利は上昇傾向にある。10年債利回りは3月に一時1.58%と約16年ぶりの水準に上昇し、5月には30年債と40年債が過去最高を更新する場面があった。
政府は財政健全化目標として「25年度のPB黒字化」に加え、「債務残高対国内総生産(GDP)比の安定的な引き下げ」を掲げている。提言では、財政余力を確保する観点から、同比率を「10年間で30%程度」のペースで引き下げる必要があると主張し、具体的な数値目標を示した。
PB黒字化を達成した後、どの程度の黒字幅を維持すべきかは「今後さらに検討していくことが求められる」とした。直近の政府試算では、25年度のPBは4兆5000億円の赤字見通し。





