東京証券取引所が上場企業に要請した「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」を巡り、
日本生命保険が同社投資先を対象に調査した結果、具体的な取り組み内容まで開示しているのは全体の3割弱にとどまることが明らかになった。
日本生命の看板
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg 今年に入り日本株の代表的指標である日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)が史上最高値を更新した背景の一つには、東証の要請を受け日本企業が資本効率への意識を高め、株主還元を強化するとの期待感があった。東証のまとめでは、プライム市場に上場する企業の約8割が要請に応じた計画を既に開示し、開示検討企業も合わせると8月までで87%に達している。
しかし、日生が18日に公表したスチュワードシップ活動報告書によると、6月時点で東証の要請に対応済みの同社投資先703社を調査した結果、資産効率や資本政策も含め具体的な取り組み内容まで開示しているのは207社と全体の3割弱にとどまった。企業側の開示は進んでいるものの、投資家側が求める内容とは隔たりがあることが示された格好だ。
同報告書について記者団に説明した石井智親株式部担当部長は、日本企業の間では「利益に関する開示はされても、バランスシートをどのようにマネージするのかという視点での開示はないことも多い」と指摘。意気込みが語られているだけのケースや内容が足りないものが多く見られると述べた。
実際、日本企業の株主資本利益率(ROE)は8%台で頭打ちとなっており、米国や欧州、アジアを下回る状況が続いている。
ただ、日生の石井氏は、東証の取り組みを受け企業側の意識は大きく変わったとも言及。次の課題は実質的にどうなるかの部分で、「東証だけではできないので、対話を通じて投資家の目線、着目点をどう伝えていくのが機関投資家の役割」との認識を示した。
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