2024年10-12月(第4四半期)の決算シーズンは好調だったが、水面下では米国株への強気に陰りをもたらす懸念すべき事態が起きている。米企業の利益見通しが悪化しているのだ。
次の四半期以降の見通しを発表した企業の中で、アナリストの予想を下回る見通しを提示した企業の方が数が多い。ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)がまとめたデータによると、各社の見通しは今月、アナリスト予想との比較で、2016年以来の低水準に落ち込んだ。現在も1年ぶりの低水準となっている。
見通しが悪化する理由はたくさんある。本格的な貿易戦争は、多国籍企業の輸出需要や海外利益に重くのしかかる可能性が高い。国内ではインフレが依然として高止まりしており、米連邦準備制度は利下げを急ぐ様子がない。
「今年に入ってからの不確実性はここ数年で最も高い。経営陣はより控えめなガイダンスでその状況を乗り切ろうとしている」と、アライアンス・バーンスタインの集中型米国成長関連最高投資責任者(CIO)のジム・ティアニー氏は述べ、「24年第4四半期の業績は好調だったが、25年のガイダンスにその好調さが反映されていない」と指摘した。
Losing Momentum
S&P 500 company guidance trails analyst estimates by most in a year
Source: Bloomberg intelligence
歴史的に見ると、株価は実際の業績よりもガイダンスに反応する傾向があり、予想を上回る業績予想を発表した企業は評価される。
今期の決算発表シーズンに利益と売上高のガイダンスを上方修正した企業は、決算発表から1日以内にS&P500種株価指数を6.7%上回るパフォーマンスを記録した。BIのデータによると、20年序盤以降で2番目に高い数字だ
もちろん、今後数カ月の間に経営幹部の見通しが控えめだったことが分かるかもしれない。控えめな見通しのおかげで達成すべきハードルが下がるため、株価上昇の舞台が整うことになるという面もある。
プルリミ・ウェルスのパトリック・アームストロングCIOは「非常に野心的な予想がセルサイドから提示され、企業がそれを達成可能な数字に導く」というのがウォール街のアナリストと企業業績予想の典型的な関係だと解説。「大きな疑問は、関税がいつ現実的なものになるかということだ」と話した。
アナリストによる25年通年のS&P500種構成企業の業績見通しは、年初から着実に低下している。BIがまとめたデータによると、アナリストはこれらの企業のの今年の増益率を10%と見積もっており、1月前半には13%付近だった。26年についての予想は変わらず、依然として14%の増益が見込まれている。
Annual S&P 500 Profit Outlook Hasn't Budged for 2026
While analysts' earnings view for 2025 slips, 2026 estimates are improving
Source: Bloomberg Intelligence
インフレ率上昇で企業が値上げをする余地が少なくなり利益率が低下していたが、このところ利益率の回復が続いているため、投資家は26年の利益拡大について楽観的な見方を維持している。
しかし、インフレが予想以上に長引くリスクがあり、金融当局は利下げについて考え直さざるを得なくなるかもしれない。物価上昇を受けて消費者は既に支出を控えており、1月の米小売売上高は2年ぶりの大きな落ち込みとなった。
原題:
Corporate America’s Souring Profit Outlook Clouds Equity Rally(抜粋)





