財務省が4日発表した法人企業統計(速報値)によると、昨年10-12月期の全産業(金融・保険を除く)の設備投資は15四半期ぶりにマイナスとなった。今回の結果を受け、11日発表の国内総生産(GDP)改定値は下方修正されるとの見方も出ている。
設備投資は前年同期比0.2%減。市場予想では5.0%増が見込まれていた。GDP改定値に反映されるソフトウエアを除くベースでは同3.1%増となり、予想(4.7%増)を下回った。前期比では0.5%増だった。製造業では情報通信機械や化学が減少。非製造業では情報通信や建設が振るわなかった。
同四半期の実質GDP速報値で前期比年率2.8%増と3期連続のプラス成長。設備投資は人手不足対応など企業の投資意欲を背景に前期比0.5%増と2期ぶりにプラスに転換した。もっとも、米政府の関税政策などの影響で投資姿勢が慎重化するリスクがくすぶっている。個人消費が力強さを欠く中、内需の柱の一つである設備投資は日本経済の持続的成長実現へ鍵を握る。
住友生命保険の武藤弘明エコノミストは、GDP改定で「設備投資は若干下方修正されるだろう。全体のGDPもイメージとしては若干下方修正される」と分析。先行きは「中国景気の減退やトランプ関税に対する不安もあり、不確実性が強い状況になっている」と語った。製造業の投資活動が弱まっている可能性があり、設備投資は楽観論がしぼみかけているという。
同省担当者は、設備投資の基調としては引き続き堅調と説明した。一方、景気が緩やかに回復している状況を反映していると考えているが、海外景気の下振れや物価上昇などの影響を含め今後とも企業の動向に注意したいとも述べた。
10-12月期の全産業の経常利益は前年同期比13.5%増と2期ぶりにプラス転換。伸び率は市場予想(0.3%増)を上回った。売上高は2.5%増の398兆38億円と過去最高を更新した。
農林中金総合研究所の南武志主席研究員は、売上高と利益は堅調であり、「企業が価格転嫁できていることを示唆するものだ。また、賃上げの余地が十分にあることも示している」と語った。その上で、今回のデータは、「日本銀行が急いで利上げする必要がないことを示唆している。現時点では3月や5月の会合での利上げの可能性は低い」との見方を示した。
1月に政策金利を17年ぶりの0.5%程度に引き上げた日銀は、経済・物価が見通し通り推移すれば利上げで緩和度合いを調整する方針を維持している。
植田和男日銀総裁は2月27日、南アフリカ・ケープタウンで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議終了後の会見で、関税を含めた米政府の政策や日本の対応などについて「まだ不確実なところが非常に大きい」と指摘。「世界経済やマーケットへの影響、それを通じた日本経済、日本の物価見通しへの影響」を考えて最終的に日本の金融政策の判断につなげると語った。
ブルームバーグが1月会合後に実施したエコノミスト調査では、政策金利を0.75%程度に引き上げる時期は7月が56%で最多となっている。
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(詳細とエコノミストコメントを追加して更新しました)
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