EUの対米通商合意、選択肢の中で最もまし-各国思惑が交渉の手縛る
記事を要約すると以下のとおり。
米国との通商交渉に携わった複数の欧州連合(EU)当局者は、合意内容はEUにとって、望ましいというよりは、可能な選択肢の中で最もましなものだったと考えている。 交渉を通じてEUの担当者が直面した最大の制約は、各国政府、特にドイツとフランスが、トランプ氏に譲歩を迫るために経済的な痛みを受け入れる覚悟を持っていなかったことにあった。フォンデアライエン欧州委員長とトランプ米大統領Photographer:AndrewHarnik/GettyImages 事情に詳しい関係者によると、EUの大使らは1週間前、事実上2つの選択肢しかないと伝えられていた。 ある関係者は、EUは最終的に弱く、それは力がものを言う世界で、団結も戦略性も欠いているからだと語った。 同氏はフランス・アンテルのラジオ番組で「私は昨日の結果で終わらせたくない」と述べ、「それでは欧州が経済大国ではないと認めることになってしまうと強調した。 独仏政権の脆弱(ぜいじゃく)性も一因だ。 EU主要国政府は表向きは強気の姿勢を見せ、米国による関税引き上げへの対抗策として約1000億ドル相当の米国製品に対して厳しい態度を取るように見せていたが、実際の交渉過程では常に米国をなだめる方策を探っていた。こうした控えめな対応が米側の善意を引き出しより良い合意につながると主張する声があったという。 例えばフランスは、米国がシャンパンやワインに報復関税を課す可能性を警戒し、米国産の蒸留酒を対象から外すよう求めたという。 フランス政府は農産物への市場アクセスの制限や規制の自主権維持といった越えてはならない一線の死守を強く求めるとともに、自国のワイン産業に有利な条件を確保するよう要請していたという。
[紹介元] ブルームバーグ マーケットニュース EUの対米通商合意、選択肢の中で最もまし-各国思惑が交渉の手縛る