2009年以来初めて自民党と公明党の連立与党が総選挙で過半数割れを喫したことを受け、石破茂氏が首相として生き残るには、早急に政権への支持を固めなければならない。
首相就任後早々に解散総選挙に打って出た石破氏の判断は、新たなリーダーの人気上昇を狙った賭けであったことが明らかになった。有権者は、単に党首を入れ替えるだけでは、政治資金問題で揺れる自民党の抜本的な改革が進むとは確信していないことを示した。
勝敗ラインとして掲げた「与党で過半数」に届かなかったことで、石破氏は弱体化した連立政権を立て直すために奔走することになる。野党だけでなく、政治資金収支報告書の不記載で党の公認が得られず、無所属で立候補した議員にも歩み寄る必要があるだろう。
石破茂首相(27日、自民党本部)
Source: Bloomberg それでも石破氏にとって、自民党党首としての長期的な将来が不透明に見えようとも、他党と対立ではなく協力できる指導者としての立ち位置から、政権を維持し権力の座にとどまることが最善策である可能性が高い。
ジャパン・フォーサイトの創設者、トビアス・ハリス氏は「最も可能性が高いのは、部分的な政策合意を伴う自民・公明の少数与党だ」と指摘した。もっとも、多くの組み合わせがあることを踏まえると、石破氏が退く可能性もあるとの見方を示している。
NHKによると、開票結果は自民・公明の与党の合計が215議席、野党・その他が250議席となっている。野党第1党の立憲民主党は148議席を確保した。
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NHKによれば、政治資金収支報告書への不記載問題で自民党の公認を得られず、無所属で選挙を戦った議員10人のうち当選は3人にとどまった。石破氏が首相の座にとどまるためには、特別国会での首相指名選挙で過半数の233票を確保する必要がある。
「政治とカネ」の問題に対する国民の強い不満を踏まえると、石破氏がこれら無所属議員から表立った支持を得たいと考える可能性は低い。ただ、萩生田光一氏や西村康稔氏ら多くは党のベテラン議員であるため、石破氏に不満を抱いていたとしても、自民党主導の連立政権樹立の邪魔をするようなリスクを冒す可能性は極めて低いだろう。
衆院選の投票会場(27日、都内)
Source: Bloomberg93年の記憶
1993年の衆院選挙では自民党が最多得票だったものの、首相続投に必要な支持を集めることができずに下野した例がある。
当時は野党各党が選挙制度改革の必要性を強く訴えて団結。7党による連立政権樹立を可能にし、55年以来初めて自民党を政権の座から引きずり下ろす要因となった。もっとも、94年の衆院選で小選挙区比例代表並立制が導入された後、7党連立政権は瓦解(がかい)し、自民党は社会党、新党さきがけとの連立という形で政権復帰のチャンスを手にした。
立憲民主党の野田佳彦代表は27日、自民党の政権を終わらせることができる野党連合の構築を目指す意向を示した。しかし、議席数で争う場合、石破氏は野田氏よりも妥協点の少ない連立政権を組むことができる可能性がある。
石破氏はまず、躍進した国民民主党に接触する可能性がある。国民民主の玉木雄一郎代表は27日、自民党との連立政権への参加を否定した。一方、政策が一致すれば協力する意思があることを示している。
自民党中心の連立政権への参加を拒否することは、玉木氏の交渉戦術である可能性もあるが、政権維持を意味するのであれば、玉木氏の掲げる「手取りを増やす」政策は、石破氏にとって比較的容易に受け入れることができそうだ。
立憲民主党の野田佳彦代表
Source: Bloomberg 歴史的に見れば、国民民主党が立憲民主党と手を組む方が理にかなっているかもしれない。両党は共に、自民党から政権を奪った経験を持つ旧民主党の流れをくんでいる。
野田氏にとっての問題は、国民民主との連立では議席数が足りないことだ。大阪を地盤とし、政策はより保守的な日本維新の会に協力を求める必要がある。
ハリス氏は「維新はどの協議にもかかわってくるだろう。大阪都の創設を求めるなど、維新は幾つか大きな要求を掲げていくる可能性がある」と指摘。大阪都構想は維新の長年の目標であり、「どこかが妥協する必要があるだろう」と語った。
原題:
Ishiba Needs to Find Friends Fast After Japan Vote Setback (1)(抜粋)





