3000億ドル(約46兆2000億円)超の通貨オプション市場で、円高を予想する見方にひびが入るのには、わずか1週間しかかからなかった。
米国の強いインフレデータとウクライナ紛争の終結に向けた合意の可能性が円の魅力を損なっていると、バークレイズが指摘した。日本銀行高官のタカ派的な発言や賃金に関する明るいデータを受けて円相場が今年の最高値を更新したのはつい先週のことだった。
オプション市場の動きは円に弱気な見通しを反映し始めている。
米証券保管振替機関(DTCC)のデータによると、想定元本5000万ユーロ(約80億3000万円)以上のユーロ・円取引では、12日にコールオプションとプットオプションの比率が5対1となり、円安を見込む取引への関心の高まりが示された。オーストラリアドル・円オプションでは2対1となった。
先週は、両オプション市場ともプットとコールがほぼ互角に近かった。
「ドル・円およびクロス・円スポットのかなり急激な動きにより、多くの投資家がドル・円および主にユーロ・円のショートポジションを解消したようだ」と、JPモルガン・チェースのアジア太平洋地域セールスマーケティング責任者、ニラジ・アサブレ氏(シンガポール在勤)が述べた。
地政学に関するポジティブなニュースや米国のインフレ持続見通しが、投資家が円オプションのポジションを見直すきっかけとなったもようだ。
今後1カ月のドルやユーロに対する円上昇に備えるためのプレミアムは下落しており、円に対する強気のオプションの需要が弱まっていることを示している。
円上昇見通しに疑問を抱いているのはアジアの投資家だけではない。トレーダーが日銀から目をそらすにつれ、欧州でも同様のパターンが現れている。
バークレイズのG10為替取引共同責任者、ジェリー・ミニエ氏は「市場の注目が日本から、ウクライナとロシアの停戦の可能性および米国の雇用・インフレに関する強いデータへと移った」と述べた。
日本の機関投資家も円安予想に傾いている。ふくおかフィナンシャルグループは、1ドル=157円まで円安が進むと予想。13日は1ドル=154円05銭付近で推移した。
原題:
Yen Options Are Signaling Vulnerability of Bullish Currency Bets(抜粋)





