10日の日本市場はリスク資産への回帰が鮮明になっている。トランプ米大統領が報復措置を講じていない日本を含む一部の国や地域に対する上乗せ関税を90日間一時停止すると表明したことを受けて、株価が急騰して債券は中長期債が下落(金利は上昇)している。
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トランプ米大統領
Photographer: Chris Kleponis/CNP/Bloomberg 株式は全面高となり、日経平均株価の上げは一時2800円、9%に達した。トランプ大統領は9日、日本を含む国・地域に対して上乗せ関税を90日間停止することを承認したと明らかにした。関税による世界的な経済・物価への懸念が後退、安全資産志向が巻き戻されて電機や銀行、自動車株を中心に買い注文が膨らんでいる。債券は10年債や先物が下落、円は対ドルで買われている。
トランプ関税の影響が不透明として先月末からボラティリティー(変動率)の急上昇とともにリスク回避が鮮明だった金融市場は、いったん落ち着いてきた。ただ、中国への関税は引き上げられており、世界1、2位の経済大国である米中の関税交渉を巡る不透明感は払拭されていない。
みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは、米関税について「貿易相手国をディール(取引)に向かわせる策略だったようだ」とし、各国の報復による貿易戦争というワーストシナリオは回避される可能性がさらに高くなったとみる。その上で、不確実性が引き続き高いのは中国の対応だと指摘した。
国内株式・債券・為替相場の動き-午前10時36分
日経平均株価は前日比7.9%高の3万4212円17銭一時2854円43銭(9%)高
東証株価指数(TOPIX)は7.2%高の2517.49
長期国債先物6月物は78銭安の140円56銭一時1円45銭安の139円89銭
新発10年債利回りは4.5ベーシスポイント(bp)高い1.315%一時13bp高い1.4%
円相場は対ドルでニューヨーク終値比0.6%高の146円89銭9日の海外市場で一時148円27銭まで下落していた
株式
東京株式相場は大幅に反発。トランプ米政権による上乗せ関税の停止で米国株が大幅に上昇した流れを引き継いだ。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)の急伸を受けて、半導体関連を中心に幅広い銘柄が高い。
大和証券の坪井裕豪チーフストラテジストは日本株について「金融不安やリセッションを織り込む株価の水準までいっていた」と話し、関税の一時停止を受けて「そこまでの織り込みは必要なかったのではないかと巻き戻しが起きている」と述べた。景気の見方が大きく持ち直し、金融や非鉄、輸送用機器など関税・景気敏感業種が強いと話した。
日経平均の上げ幅は一時2854円に達した。歴代の上げ幅(終値)との比較では
昨年8月6日に続く史上2位になる。TOPIX33業種全てが上昇しており、指数値上がり寄与度では電気機器、銀行、輸送用機器が上位に入っている。
アドバンテストが一時18%上昇、三菱UFJフィナンシャル・グループやトヨタ自動車も一時10%超値上がりした。
債券
債券相場は先物が大幅安。トランプ米大統領が関税上乗せの一時停止を発表し、先物夜間取引が大幅安となった流れを引き継いだ。この日の5年国債入札に対する警戒感も売りにつながっている。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤原和也債券ストラテジストは債券相場について、トランプ関税延期によるリスクオフ後退で中長期債が下落していると述べた。中国の問題が残るほか関税策を巡る不透明感は根強く、積極的な取引は行いづらいとしている。
一方、超長期債は買われている。前日まで大きく売られた反動に加えて、株価が大幅高となって市場心理が改善し、押し目買いが入ったのではないかと同氏は指摘した。
この日の5年債入札については「ボラティリティーが高く買いにくい。午前に調整しても買い目線は定まりにくいだろう」と話した。
為替
円相場は1ドル=146円台後半に上昇。米関税の一時停止によるリスク回避の巻き戻しの円売りが一服している。引き続き米関税政策に不透明感が根強く、米国と中国の関税応酬による対立もドルの重しとなっている。
外為どっとコム総合研究所の神田卓也調査部長は、米関税の停止は根本的な解決ではない上、医薬品や半導体の関税も控えており「一方的なリスクオンとはなりにくく、円売りも一服」と指摘。米中の対立も長引く様相で、「148円台はドルの上値が重い」と述べた。
この記事は一部にブルームバーグ・オートメーションを利用しています。





