トランプ氏、日本やEUとの貿易合意誇示も詳細欠如-期限前に残る不安
記事を要約すると以下のとおり。
トランプ米大統領がこれまでに発表した日本をはじめとする貿易相手国・地域との一連のディール(取引)は詳細に乏しい。米中の関税休戦の延長にも現在取り組んでいる。関連記事:米中、関税停止期間延長の協議継続で合意-トランプ氏は29日、英スコットランドからワシントンへ帰国する機中で語った。特に日本およびEUとのディールだけで計1兆ドル(約148兆円)を超えるとされる投資のコミットメントは、自らの保護主義的政策が米製造業の復活と雇用創出という公約通りの成果を達成しつつある証拠となっている。「ボーナス契約」 トランプ氏は誇示 これに対し、赤沢亮正経済再生担当相は、実際の出資は1-2%、最大110億ドルの対米投資基金の設立が盛り込まれ、同氏は「一種のボーナス契約」に相当すると話している。また、トランプ氏のチームが強調した日米で1対9になる利益の配分は、5500億ドルがキャッシュで米国に行くわけではないと指摘。一方で、ラトニック商務長官は先週、FOXニュースのインタビューで、「これは文字通り日本政府がドナルド・トランプ氏に5500億ドルを与えるという話だとコメントした。」関連記事:ラトニック氏、EUとして拘束力のある目標を設定するわけではないという。関連記事:EUが「服従を選択」と批判も-対米関税合意にくすぶる欧州の不満 ラトニック氏は28日、「基本的に彼らは工場を建てると約束した。この目標は米国の輸出業者や欧州の輸入業者の能力に負担をかける恐れがあると、一部のアナリストは指摘している。 トランプ氏は日本およびEUからの大半の輸入品に対し、関税率は15%に引き下げは適用されない。 日本やEUに対し半導体と医薬品に15%の関税を課すと約束したが、これら2分野の関税率の数字に先んじることで混乱を招く可能性がある。また、米政府高官の1人は、トランプ氏が通商拡大法第232条に基づいて警告している一段と高めの関税率を適用することに同意したと述べたが、この約束はホワイトハウスのファクトシートには明記されていない。今月初めに発表されたベトナムとの合意では、20%の関税率が課されることになっており、これはベトナム側が合意したとされる水準よりも高く、同国当局者にはサプライズだった様子だ。関連記事:トランプ氏、ロシアに10日以内の合意迫る-ウクライナ停戦へ圧力(1) 中国はロシア産原油の最大の貿易相手国であるカナダとメキシコの運命も、土壇場の決着に向かっているように見受けられる。トランプ氏はカナダと近いうちに合意に達する可能性は低いとしているが、カーニー首相はそれを気にとめていない様子だ。関連記事:トランプ米大統領、対カナダ交渉を重視せず-関税賦課だけの可能性も 関税率を巡るトランプ政権の個別交渉方式では、整合性のないつぎはぎの政策に終わる恐れがあるとの指摘もある。ただ、それがトランプ氏の一連のディールの最終局面である可能性は低い。
[紹介元] ブルームバーグ マーケットニュース トランプ氏、日本やEUとの貿易合意誇示も詳細欠如-期限前に残る不安