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【コラム】トランプ氏が突き進む米経済自滅への道-クルック

記事を要約すると以下のとおり。

米国政治は過去10年、常識では測りがたい展開が続き、混迷の度合いを深めている。
制度としての政治が機能不全に陥るとはどういうことか、今の米国はまさにその実例を示している。
それにもかかわらず、現政権の取り組み方には否定的な評価を下している。
特に注目されるのは、「彼がもたらしている変化は混乱と機能不全という形で国家に害を及ぼしているとする回答が51%に上った一方で、「必要かつ有益な変化をもたらしているとの見方に同意したのは45%にとどまった点である。」
民主党は明らかに不人気な主張を目立たなくするのではなく、きっぱりと放棄し、実務能力と穏健さを前面に打ち出すことに注力すべきだ。
そうであれば、政治的機能不全の連鎖に呆れる代わりに、その秘密工作員たちの巧妙な手腕に深い感銘を受けていたことだろう。
一方で、共和党の機能不全はさらに不可解だ。
 移民政策について言えば、多くの国民が「国境は厳重に管理されるべきであり、合法移民と不法移民は区別されるべきだ」「不法に入国した数百万人のうち、とりわけ他の犯罪にも関与した者は送還すべきだ」と考えている。
そのような手法に訴えることは、せっかく勝ち取った議論の正当性を自ら損なう行為に等しい。
しかし、破綻は不可避だとの警告をよそに、S&P500種株価指数は最高値の更新を続けている。
 この新たな経済体制にとって、最大の政治的リスクは将来的な影響そのものではない。
人工知能(AI)によるイノベーション、規制緩和、投資減税といった成長と生産性向上の推進力が、関税主導のスタグフレーション、稚拙な産業政策、そして過剰な政府債務による投資の締め出しという逆風を上回ることができるのか。
トランプ氏の経済政策にとって、より差し迫った政治的リスクは、金融市場の短期的な混乱である。
金融市場の拒絶反応を招きながら、埋め合わせの手立てを欠いたものとして三点を挙げたい。
最近では、FRB本部ビルの改修工事に絡む不正の疑いを持ち出すまでに至っている。
 自身に従順な人物をFRBに据えることで、トランプ氏の思惑は実現するのだろうか。
仮に、トランプ氏の意向に沿ってFRBが大幅な利下げに踏み切ったとしても、住宅ローン金利やクレジットコスト、長期借入金利といった同氏が重視する金利が下がる保証はない。
 自身に近い人物をFRBに据えるのは表面的には一定の合理性があるかもしれない。
 もしマッケンターファー氏にそうした意図があったとしても、実際どのようにして統計を操作できるというのか。
だが、その役割を担っていた無報酬の技術専門家パネルが政権によって解体されたことで、この目標の達成は一段と難しくなっている。
こうした不信が蓄積していけば、金融市場における「トランプ・モーメント」のリスクも高まっていく。
何しろ、相手は民主党なのだから。
そして、これが米国の現実だと深く憂うべきだ。

[紹介元] ブルームバーグ マーケットニュース 【コラム】トランプ氏が突き進む米経済自滅への道-クルック

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