
アメリカ経済の状況を理解するうえで、投資家・ビジネスリーダーは今注目すべき3つの変化を押さえておく必要があります。
1. トランプ政権の関税、国民と企業へのコストが現実に
2026年2月、ニューヨーク連邦準備銀行の経済学者は「トランプ大統領による関税のコストの96%がアメリカ国内の消費者に転嫁されている」と発表しました。平均的な家庭で年間約1,300ドル、減税による恩恵を上回る負担となっています。関税は一見、海外からの製品保護策ですが、その実、多くの家庭の購買力を削ぎ、企業においては材料費高騰や利益率低下といった形で、成長の足かせにもなっています。ビジネスリーダーはこのコスト構造を意識し、値上げか、吸収か、戦略の見直しが必要です。
2. 経済成長率の鈍化、楽観ムードに陰り
関税の影響で消費者信頼感が低下しており、2026年初頭は過去11年以上で最低水準に落ち込んでいます。The Conference Boardは2025年の米国GDP成長率を2.2%、2026年には2.1%と予測。表面上は拡大基調を維持していますが、人件費・資本コスト上昇などの負担と関税による価格高騰が、減税の効果を打ち消し始めています。投資初心者は「数字上の成長」だけでなく、実質購買力・消費マインドの変化も注視しましょう。
3. 住宅価格上昇による「失われた10年」到来
あまり日本では報道されていませんが、米国では住宅価格の上昇に賃金の伸びが追いつかず、「住宅の失われた時代」が始まったと、セントルイス連邦準備銀行の研究者が警告しています。特に中間層以下の家庭では、家賃支出や住宅ローン返済が家計を圧迫。関税による物価高と住宅コストのダブルパンチで、消費に使える余裕が急減しています。資産運用や家計管理を考える上で、住宅政策への理解はこれまで以上に必要です。
多角的な視点・ヒント
- 関税や住宅コストなど「見えないコスト」の増加に警戒し、資産運用は分散型を意識
- 経済指標の背景にある「家計の実感」を情報収集の軸に
- 企業経営者は、コスト増のリスクヘッジ策を今から検討することが大切
米国経済の動向は、日本の投資家やビジネスリーダーにも大きく影響します。“数字だけでは見えない”リアルな現状を把握することで、より強固な判断力を養いましょう。




