
リチウム・アメリカズ株が急騰――政府主導による“戦略的資源争奪”の舞台裏
9月23日、米政府がカナダ系リチウム・アメリカズ社の所有権取得を検討しているとの報道を受け、同社株は一時96%も急騰しました。米国エネルギー省は、ゼネラル・モーターズと進めるネバダ州のリチウム鉱山プロジェクトへの22億6千万ドルの融資審査に入り、米中間の資源獲得競争が一段と激しくなっています。リチウムは電気自動車やクリーンエネルギーに不可欠な鉱物。国家レベルの「資源外交」は、今後の世界経済のパワーバランスを左右するものです。投資初心者には、素材・資源の影響力や将来的な需要を意識した分散投資の重要性、ビジネスリーダーにとっては政府の支援や規制による市場構造の変化をいち早く察知する視点が求められます。
銅・金の大手、フリーポート・マクモランが減速――資源価格の波及効果
同日、資源大手フリーポート・マクモランは第3四半期の銅・金の販売見通しを下方修正し、株価が一時17%急落。銅の販売量は従来予想より4%減、金は6%減となる見込みです。これが示すのは、資源の供給制約や需要減速という複雑な市況環境。銅は電線や電子機器、建設に欠かせないため、世界の製造業や貿易にも波及します。投資判断では「1商品の短期的な値動きに左右されすぎず、マクロな市況や需給構造を注視」することが大切です。企業活動への広範な影響を意識し、多角的なリスク管理を行いましょう。
OECDによる米経済成長率予測ダウン――“関税”の知られざる副作用
OECDは2025年の米成長率を1.8%へ下方修正し、2026年には1.5%へとさらなる減速を予想。その要因として「既存の米国による関税政策の短期的影響は予想より小さいが、輸入在庫の減少や労働市場の影響が今後本格化し、仮に追加関税や世界的ショックが起これば経済失速の恐れもある」と分析しています。この“見えにくい関税効果”は、日本の教科書では説明されない、世界経済に与える多段階のインパクトそのもの。初心者にとっては、国際経済政策が資産運用に与える予想外のリスクに目を向けることが肝要です。経済成長や雇用のトレンドを客観的に読み解く力がリーダーにも求められます。
これらの動きはすべて、米国経済のダイナミズムと、グローバル投資・経済政策の“未来予想図”を織りなしています。今後も複合的な視点を持ち、事実に基づいた判断の大切さを忘れずに。