ブルームバーグ・ドル・スポット指数の月間下落率が昨年12月以来最大となる勢いの中でも、シティグループの通貨ストラテジストらは、米大統領選挙が近づく中でドルが上昇するとの予想を維持している。
シティのダニエル・トボン、ルイス・コスタ両氏を含む外国為替戦略チームは29日付のリポートで、11月の大統領選でトランプ氏が勝利した場合の影響をトレーダーが織り込むに連れて、ユーロなど先進国通貨や中国人民元、メキシコ・ペソを含む新興国通貨で構成されるバスケットに対してドルが上昇する可能性があると指摘した。足元では、米金融当局が来月に利下げを開始するとの観測を背景に米国債利回り低下とドル売りが優勢で、大統領選の影響は薄れている。
同リポートでは、トランプ氏が大統領に返り咲けば保護貿易主義政策を強めるとのシナリオが、選挙前の数カ月間のドルに対して強気の見方を維持している主な要因になっていると説明。「米国の選挙はようやく本格的に織り込み可能な時期に入った」とした上で、「G10通貨中で最もクリーンな選挙トレードは、ユーロ・ドルのショートだ」としている。
Citi Strategists Tout Long Dollar, Short Euro Ahead of Election
EUR/USD put recommendation targets 1.08 strike over two months
Source: Citigroup. Bloomberg
リポートによれば、関税ショックに対して、中国の政策当局は自国経済への打撃を相殺するため、人民元安の進行を容認する可能性がある。欧州の場合、米国の保護主義的政策が、ドイツの製造業の動揺やディスインフレの進行につながり、対中貿易に影響する公算もあるという。
「市場はフォワードルッキングの傾向があるため、われわれは選挙のかなり前から、イベントの織り込みに伴うドル高局面を見込んでおり、11月にかけて高値を付ける展開もあり得るとみている」とトボン氏らは述べた。
この夏の初めには、いわゆる「トランプトレード」が市場のテーマとして盛り上がり、第二次トランプ政権の樹立はインフレにつながるとの見方から、米国債利回りの上昇とドル高を織り込むポジションが構築された。その後、ハリス副大統領が対抗馬として台頭し、トランプ氏優位の情勢が変化すると、ここ数週間はトランプトレードの勢いが衰えている。
足元では米金融当局による利下げ観測を背景に、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は、8月に足元までで1.7%下落。月間ベースで年初来最大の下げとなる勢いにある。
シティのストラテジストは、米金融当局のハト派姿勢への転換は「このところドルの重しになっており、われわれの選挙シナリオに基づくドル強気の見方に直接的な逆風となっている」と指摘。その上で、米金融政策に関するリプライシングが積極的な状態を維持する場合、「米経済の動向は、選挙よりも重要な意味を持ち得る」と付け加えた。
原題:
Citigroup Sticks to Bullish Dollar Call as Election Draws Near(抜粋)





