中国はトランプ次期米大統領が仕掛ける貿易戦争への対応で、人民元の10-15%下落を容認する可能性がある。JPモルガン・チェースがこうした見方を示した。
ジャハンギル・アジズ氏率いるJPモルガンのエコノミストは「嵐に備える」と題したリポートで、トランプ氏が公約した輸入関税引き上げが実施されれば新興国経済が打撃を受けるが、「対中貿易政策が最も早期に、大きくシフトする」と予測し、「言うまでもなく、中国が最も悪影響を受けるだろう」と指摘した。
JPモルガンは、中国からの輸入品に対する平均実効関税率が現行の20%から60%に引き上げられると想定している。関税引き上げの結果、2025年の中国経済見通しは悪化し、経済成長率が24年の4.8%から3.9%に低下すると分析した。
JPモルガンは関税引き上げにより人民元が10-15%下落するとみている。
しかし、これは中国人民銀行(中央銀行)が「米関税引き上げの70%を打ち消すため通貨安を許容した18-19年を再現した場合に予想される28-30%よりもかなり小さい」とエコノミストらはリポートで指摘した。トランプは18年に対中関税率を3%から20%に引き上げた。
アジズ氏は、金融の安定が損なわれる恐れがあるため、当局がより大幅な元安を容認することはないとの考えも示した。
オンショア人民元はトランプ氏が大統領返り咲きを決めて以来、対ドルですでに約1.4%下げており、27日には1ドル=7.25元と7月以来の安値を付けた。
トランプ氏は今週、カナダとメキシコからの全ての輸入品に25%の関税を課し、中国からの輸入品には10%の関税を上乗せすると表明した。また同氏が米通商代表部(USTR)代表に指名したジェイミーソン・グリア氏はトランプ政権1期目の対中関税賦課で重要な役割を果たした。
JPモルガンは「貿易ショック」によって新興国の成長率が今年の4.1%から来年は3.4%に鈍化すると予想。「アジアの新興市場国とメキシコの製造セクターの輸出企業も打撃を受ける見通しだ。中でもマレーシアとベトナムの打撃が最も大きく、インドが最も小さいだろう」とコメントした。
新興国市場については既に弱気の見通しが幾つか示されており、バンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジストは、トランプ次期政権による貿易戦争リスクを投資家は過小評価していると警告。新興国市場通貨が25年前半に平均5%下落すると見込んでいる。
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原題:
JPMorgan Sees 10-15% Chinese Yuan Slide in Response to Trade War(抜粋)






