米大統領選の共和党候補トランプ前大統領は、ホワイトハウス返り咲きを果たせば、政権として金融政策運営に口出ししたい考えだ。
一方、第2次トランプ政権が発足した場合、連邦準備制度理事会(FRB)議長候補の1人と目されるウォラーFRB理事は、ホワイトハウスが金融政策に干渉することには強力に反対している。
トランプ氏は在任中、現在のFRBメンバーのうち、FRB理事だったパウエル氏を議長に指名したほか、ウォラー氏とボウマン氏を理事に指名した経緯がある。
2020年12月のFRB理事就任以前、ノートルダム大学の経済学教授やセントルイス連銀の執行副総裁を歴任したウォラー氏(65)は中央銀行が独立性を維持することのメリットを数値化することにキャリアの一部を費やし、現在も引き続き中銀の独立性維持を最も力強くに提唱している1人だ。
ウォラーFRB理事
Photographer: Al Drago/Bloomberg ウォラー氏は今月6日、ノートルダム大で講演後、トランプ氏の見解について問われたのに対し、米金融当局の自律的な金利政策に議会や金融市場の強い支持があることを指摘した。
「大統領が不満を表明したいのであれば、他の全ての人と同様、そうするのは自由だ」とした上で、「大統領はどのような意見でも述べる権利があるが、私がそれを聴いたり、それに対して政策を調整したりしなければならないことを意味しない」と語った。
こうした事情を踏まえると、トランプ氏は返り咲きを果たしても困難に直面することになる。同氏の側近の多くはウォラー氏に好意的である一方、ホワイトハウスから金融政策運営に干渉があれば、同氏がそれを喜んで受け入れる公算は小さい。
このため、トランプ氏が金融当局への口出しに真剣になれば、ウォラー氏がFRB議長に指名される可能性は小さくなる。ただ同氏の場合、仮に指名されることになれば、上院で承認される公算が大きいという、他の潜在的候補に対する明確なアドバンテージがある。
JPモルガン・チェースの米国担当チーフエコノミスト、マイケル・フェロリ氏はウォラー氏について、「彼は非常に合理的であり、彼のことを政治的と認識するのは難しい」とコメント。他の潜在的候補の一部よりも連邦準備制度を守ることになるだろうとも話した。
ウォラー氏は連邦公開市場委員会(FOMC)で最も影響力のある当局者の1人としての地位を確立。同氏の講演は米経済や金利のガイダンスの手掛かりとして市場でも精査されている。
原題:
Fed Governor Seen as Potential Chair Won’t Welcome Trump’s Input(抜粋)








