【米国市況】ダウ平均は最高値更新、パウエル氏講演が利下げ観測補強
記事を要約すると以下のとおり。
22日の米国株式相場は急伸。株式終値前営業日比変化率S&P500種株価指数は5月以来の大幅高。大型ハイテク株は軒並み上昇。「もっとも、政策が景気抑制的な領域にある現状では、基本見通しとリスクバランスの変化が、政策スタンスの調整を正当化する可能性がある」と述べた。動画:パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長出所:ブルームバーグ eToro(イートロ)のブレット・ケンウェル氏はパウエル議長が引き締め的な政策を転換する時期にきている可能性を認めたため、リリーフラリー(安心感による上昇局面)に向かう下地が整ったと指摘。 「利下げを尚早に、あるいは過度に行えば、インフレが再燃するリスクがある。」 プリンシパル・アセット・マネジメントのチーフ・グローバル・ストラテジスト、シーマ・シャー氏は9月のFOMC会合までに雇用統計の発表がもう1回あると指摘した上で「9月利下げを正当化するのに十分なデータは既にそろっている。」株式市場は一般的に低金利を好む傾向があり、パウエル議長が9月の利下げの可能性に言及したことから、短期的には強気トレンドが続くとみていると話した。 アップルは音声アシスタント「Siri」の刷新に向けて、グーグルの人工知能(AI)モデル「Gemini(ジェミニ)」を活用する方向で協議に入った。パウエル議長の講演を受けて市場では9月利下げの織り込みが深まった。10年債利回りは一時4.24%と、約1週間ぶりの低水準となった。パウエル議長の講演前は65%程度だった。 セントルイス連銀の前総裁、ジェームズ・ブラード氏はブルームバーグテレビジョンのインタビューで「パウエル議長はこの講演を利用し、9月に25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利下げがあるとの観測を裏付けた」とし、「非常に弱かった直近の雇用統計を議長は重視していた。 クレディ・アグリコルCIBのG10為替調査・戦略責任者、バレンティン・マリノフ氏はパウエル氏の講演について「根強いインフレから労働市場の弱さにリスクが変化したことを示唆する」と指摘。パウエル議長の講演で9月利下げの確率が高まったと市場は受け止めた。7月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は、一時0.9%余り下落。 パウエル議長は「失業率など労働市場の指標の安定により、われわれは政策スタンスの変更を検討する上で慎重に進むことが可能になる」と指摘。「市場が利下げサイクル再開を強く信じているのなら、ドルはもう少し軟化してもよさそうなものだ」と述べた。原油 ニューヨーク原油先物相場は小幅ながら3日続伸。 金利低下は経済活動を刺激し、燃料需要の増加につながるとの期待があるほか、資金調達費用や保管費用のコストも軽減される。 ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)10月限は前日比0.1%上げて67.73ドルで終了。パウエル議長が9月利下げに慎重ながらも道を開いたことでドルと国債利回りが下げ、金買いが膨らんだ。 スポット価格はニューヨーク時間午後2時55分現在、前日比34.69ドル(1.1%)高の1オンス=3373.40ドル。
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