24日の米株式市場でS&P500種株価指数は反落。前日までの4営業日続伸で過去最高値を更新していた相場に一服感が出た。ただ、同指数は週間ベースでは2%近く上昇。大統領就任週としては、1985年のレーガン元大統領の2度目の就任式があった週以来の好パフォーマンスとなった。
株式
終値
前営業日比
変化率
S&P500種株価指数
6101.24
-17.47
-0.29%
ダウ工業株30種平均
44424.25
-140.82
-0.32%
ナスダック総合指数
19954.30
-99.38
-0.50%
トランプ大統領は経済活性化と減税政策をアピールする一方、
対中関税については強硬姿勢を和らげる姿勢を見せている。
S&P500種株価指数は週間ベースでは2%近く上昇
Source: Bloomberg アクサ・インベストメント・マネジャーズのクリス・イッゴ氏は「就任から未だ日は浅いが、トランプ大統領の発言や行動は金融市場に悪影響を与えていない」と指摘。「それどころか、投資を継続する方が得策となっている」と述べた。
UBSグローバル・ウェルス・マネジメントのデービッド・レフコウィッツ氏は今年の米株について、人工知能(AI)への過剰投資や関税、金利に対する懸念によってボラティリティーは高まるが、下落局面は買いの好機になるとみている。
「関税は引き上げられるだろうが、経済成長の軌道を変えるような水準にまでは至らないというのが当社の基本シナリオだ」と語った。
この日発表された経済指標では、ミシガン大学消費者マインド指数が6カ月ぶりに低下。消費者の5-10年先のインフレ期待は3.2%に上昇し、1年先のインフレ期待は3.3%と、昨年5月以来の高水準となった。
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eToro(イートロ)のブレット・ケンウェル氏は「最近のウォール街はインフレを懸念しているものの、かなり堅調な経済と労働市場が支えとなり、株式市場は最高値近辺で推移している」と指摘。同社が四半期ごとに実施する個人投資家調査では、2025年も強気相場が続くと考える投資家が大半を占めるなど、楽観的な見方が示されている。
国債
米国債相場は上昇。10年債利回りは約3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下した。
国債
直近値
前営業日比(bp)
変化率
米30年債利回り
4.84%
-2.5
-0.51%
米10年債利回り
4.62%
-2.8
-0.61%
米2年債利回り
4.26%
-2.8
-0.65%
米東部時間
16時49分
米経済指標では、消費者心理の低下と企業活動の拡大ペースの若干の鈍化が示されたが、企業は見通しについて引き続き楽観的だった。
関連記事:米国の企業活動、拡大ペース鈍化-サービス業が予想以上に減速
LPLファイナンシャルのジェフリー・ローチ氏は「消費者マインドの落ち込みは、短期インフレの粘着性に対する失望が主な原因とみられる」と指摘。その上で「長期インフレ期待がしっかりと抑制されている限り、米金融当局への信頼性は維持される。インフレデータからは、3月利下げの可能性は低いとみられる。5月利下げついてはコイントスといったところだろう」と語った。
米連邦公開市場委員会(FOMC)は2024年後半に3度の利下げを実施。インフレ率が当局の目標である2%に向かってさらに低下するまでは金利を据え置くと予想される。
オスカー・ムニョス氏とジェナディー・ゴールドバーグ氏らTDセキュリティーズのストラテジストは来週のFOMC会合について、「平穏無事とも言える据え置きが見込まれており、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長がハト派的な内容の記者会見で驚かせるようなことがない限り、国債市場の反応は限定的になるとみられる」と述べた。
為替
外国為替市場ではドルが下落。トランプ氏が対中関税で姿勢を
トーンダウンさせたことが響いた。ブルームバーグ・ドル・スポット指数は週間ベースでは1.6%下落し、2023年11月以来の大幅安。
為替
直近値
前営業日比
変化率
ブルームバーグ・ドル指数
1295.16
-6.71
-0.52%
ドル/円
¥155.92
-¥0.13
-0.08%
ユーロ/ドル
$1.0495
$0.0080
0.77%
米東部時間
16時49分
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)のアナリスト、デレク・ハルペニー氏とリー・ハードマン氏は「就任初日に発表された関税の波はなかった」とリポートで指摘。「今週のドル軟化は、関税を巡るトランプ大統領の強硬姿勢に対する懸念が後退したことが背景にある」と記した。
その上で「われわれはドルの下落基調が続くとは確信していない」と説明。米経済活動に関する堅調なデータを踏まえると、来週のFOMC会合では「利下げに対する慎重姿勢の継続」が示唆される公算が大きいとした。
円相場は対ドルで小幅高。ニューヨーク時間の午前には
下落に転じ、1ドル=156円58銭を付ける場面もあった。
日本銀行は24日の金融政策決定会合で、昨年7月以来の追加利上げを決定。植田和男総裁は、今後の利上げについては予断を持たずに毎回の会合で判断していく考えを表明した。新たな経済・物価情勢の展望(展望リポート)では、物価見通しのリスクは24年度と25年度は上振れリスクの方が大きいとしている。
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エバコアISIのクリシュナ・グーハ氏は「植田総裁は政策メッセージの伝達に成功したようだ」と語り、市場は「それを上手に消化した」と続けた。
ユーロはドルに対して続伸し、週間ベースでは約1年半ぶりの大幅高。域内の利下げ観測後退に加え、米国による関税措置が従来考えられていたほど早期に発動されることはないとの見方がユーロを支えている。
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原油
ニューヨーク原油先物相場はほぼ変わらず。週間では今年に入って初めて下げた。トランプ大統領が貿易戦争も辞さない構えを示し、石油輸出国機構(OPEC)に原油価格の引き下げを要求したことを受け、週間では売りが優勢になった。
ロシアのプーチン大統領がウクライナ情勢や原油価格についてトランプ大統領と協議する用意があると述べたため、この日は売りが優勢になる場面もあった。22日にトランプ大統領はロシアに対し、ウクライナでの戦争終結に向け交渉を行うよう圧力を強め、速やかな戦争終結を拒否する場合は新たな懲罰的措置を科すと警告していた。
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最近米国がロシア産原油に対して課した制裁は、世界市場を逼迫(ひっぱく)させており、制裁を緩和すれば、代替原油を模索していたアジアの顧客に供給量を増やすことが可能になる。制裁は、ウクライナが和平交渉で優位に立つことを目的として、トランプ氏が大統領に就任する前に導入された。
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スベランド・キャピタルのナディア・マーティン・ウィゲン氏はブルームバーグ・テレビジョンとのインタビューで「大統領はただ価格を下げたいだけだ」と発言。「消費者向けにガソリン価格を下げ、原油価格も少なくともバイデン政権の時よりも低く抑えたがっている。一方、特に米国内の生産者には生産を続けさせたいと考えており、そのため大統領にとって状況は厳しい」と指摘した。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物2月限は、前日比4セント(0.1%)高い1バレル=74.66ドルで終了。週間では4.1%下げた。ロンドンICEの北海ブレント3月限は前日比0.3%高の78.50ドルで引けた。
金
金相場は反発。スポット価格は最高値に近づいた。トランプ米大統領が中国に対して穏健なアプローチを取る姿勢を示し、ドル安が進んだことを受けて買いが入った。
金スポットは1オンス=2780ドル近辺まで上昇し、最高値を記録した昨年10月以来の高値を付けた。トランプ大統領は23日夜放送のFOXニュースとのインタビューで、できれば中国に対し関税を賦課したくないとの考えを示した。ドル指標が下落し、ほとんどの買い手にとって金が割安となった。
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UBSグループのアナリスト、ジョニ・テベス氏はリポートで、米国が新たに関税を課せば、ドル高を伴うにもかかわらず、金にとっては追い風になるとの見方を示した。「投資家はドル高を無視するだろう」と指摘し、変動が激しくマクロ経済が不透明な時期には、金は安全資産および分散投資先として需要を集めると続けた。
スポット相場はニューヨーク時間午後2時15分現在、前日比17.64ドル(0.6%)高の1オンス=2772.51ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物2月限は13.90ドル(0.5%)高の2778.90ドルで引けた。
原題:
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