セブン&アイ・ホールディングスは2025年6-8月期(第2四半期)決算をきょう午後に公表する。市場は業績の改善を予想しているものの、セブン&アイ株はいまだ低迷から抜け出せずにいる。「本格的再評価には成長期待につながる変化が必要」(SMBC日興証券の金森都シニアアナリスト)との見方が広がっている。
セブン&アイのロゴ
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg ブルームバーグが集計したアナリストの予想平均によると、第2四半期の営業利益は前年同期比で増益を見込む。3-8月期(中間期)の予想も、セブン&アイが計画する1970億円をわずかに上回っている。
一方、株価は7月半ばにカナダのコンビニエンスストア大手アリマンタシォン・
クシュタールが買収提案を撤回したことを受けて大幅に下落し、その後は2000円台で定着できずに浮沈を繰り返している。
業績改善が見込まれるのに株価が上がらない。背景には、投資家がコスト改善効果よりもコンビニの営業実績の力強さを求めている点が挙げられそうだ。
金森氏は9月のリポートで、海外コンビニ事業での販管費抑制などを踏まえて今期の業績予想を引き上げた。ただし、「本来のカタリストは引き続き主力の日米コンビニ事業の売上モメンタムの改善」とし、現状ではその兆しは薄いと指摘した。クシュタール撤退を受けてセブン&アイの目標株価も2100円から1950円に引き下げた。
セブン&アイはイトーヨーカ堂などの非中核事業を束ねたヨーク・ホールディングスや
セブン銀行を分離し、今後はコンビニ事業に注力するが、主力の日米市場でともに苦戦が続いている。
国内では割高感を払拭するために昨秋に低価格商品を投入し、既存店売り上げは前年並みを維持できるようになった。ただ、ライバルであるローソンやファミリーマートとの伸び率には開きがある。米国でも物価上昇による節約志向が続いており、この2年間の売り上げは振るわない。
アイザワ証券投資顧問部の三井郁男ファンドマネジャーはセブン&アイ株が買われにくい理由として、足元の販売動向を挙げる。
スティーブン・デイカス社長は8月に公表した経営方針で、30年度までに国内で約1000店、北米で約1300店を増やすと述べた。三井氏は「小売りは出店しないと成長していけないので、目標を持つのはポイントを押さえている」と評価する一方、「既存店へのテコ入れは十分ではない」と述べた。
UBS証券の風早隆弘シニアアナリストも、「オーナーの利益最大化といったセブンの経営にとって重要な点への言及はもっとあっても良い」と指摘する。国内ではセブン銀行と
伊藤忠商事の資本提携が始まり、伊藤忠傘下のファミリーマートにセブン銀行のATMが設置される方向だ。
ライバルのサービス強化につながる動きはオーナーとの関係強化に向けた取り組みに水を差す懸念があるという。
デイカス氏は今後の時価総額向上に自信を見せる。これまでに総額2兆円に上る自社株買いの計画や北米事業の新規株式公開(IPO)を打ち出してきた。8月の経営方針説明会では、新規出店などの戦略を実現することで、クシュタールが提案した1株2600円は自力で達成できると述べた。
これまでに西友や回転ずしチェーン「スシロー」を展開する
FOOD & LIFE COMPANIESで経営に携わったが、非公開企業であったり在任期間が短かったりしたため、過去の実績に関する情報は少ない。
店舗増に加え、デイカス氏が掲げるグローバル人材の育成や本社機能のスリム化といった施策がいつ頃、いかに業績に結びつくかが注目される。
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