米銀JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は、トランプ米大統領が打ち出した関税措置による不確実性に関し早期解決を強く求めた。また、米国が長く築いてきた経済的な結び付きが「悲惨に」分断されるリスクを警告した。
ダイモン氏は投資家に宛てた年次書簡で「この問題は早期に解決するほど望ましい。なぜなら、時間の経過とともに一部の悪影響が累積的に増大し、元に戻すのが難しくなるからだ」と指摘。短期的には「投入コストの上昇や国内製品に対する需要の拡大に伴い、輸入品だけでなく国内価格にもインフレの影響が表れる可能性が高い」との見方を示した。
同氏は他国による報復措置の可能性や投資・資本移動へのインパクト、想定されるドルへの影響など、新たな関税措置を巡る多くの疑問を挙げた。その上で「当然のことながら」この措置には幾つかの正当な理由もあるとし、米国にとって「長期的には何らかのプラスの効果がある」ことを期待していると述べた。
書簡ではトランプ氏に対する直接的な言及はない。ダイモン氏の年次書簡は多岐にわたっており、注目度も高い。今回は脚注含め60ページ近くに及んだ。
関税問題に加え、ダイモン氏は米国の経済同盟についてもより広範に言及した。同氏によれば、米国はその強さを軍事的・経済的な結び付きから引き出しており、こうした関係を維持することは、敵対国が付け込んで狙うような弱体化や分裂を回避するために不可欠だ。
さらに北大西洋条約機構(NATO)や国連、国際通貨基金(IMF)といった国際的な機構や機関を強化する改革を呼び掛け、欧州指導者たちにも経済改革を行い、軍事支出を増やすことで関係強化につなげるよう強く求めた。米中間の「複雑な関係」については、中国はロシアやイランのような国よりも、強力な欧米諸国とパートナーシップを結ぶ方が「得策」であるとの考えを示した。
ダイモン氏は「米国第一主義は結構だが、米国の孤立で終わってはならない」と述べ、米国が世界で発揮してきたリーダーシップは他国によってだけでなく、米国内の「分極化した有権者」によっても試されていると付け加えた。
原題:
Jamie Dimon Says Tariff Policy Issues Must Be Resolved Quickly
(抜粋)
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