バター高騰、クロワッサンや家庭の台所にも打撃-世界で需給逼迫
記事を要約すると以下のとおり。
パリ9区と10区にある人気のパン屋、「マミッシュ」の看板商品パン・オ・ショコラやクロワッサンに欠かせない材料であるバターが今、深刻な供給不足に直面している。なぜバターが不足するのかSource:Bloomberg 世界各地でバター価格が過去最高水準に張り付いたままで、値上がりの勢いが収まる気配はない。 結果として、消費者にとって身近な食品へのコスト圧力が一段と高まっている。香港のベーカリーチェーン「ベイクハウス」の商品Photographer:ChanLongHei/Bloomberg 世界で輸出されるバターのおよそ70%は、欧州とニュージーランドから来ている。インフレと燃料コストの上昇に経営を圧迫され、乳製品メーカーは収益性を最大化する方法を模索するようになった。バターミルクの使い道は限られる。 このため、欧州連合(EU)域内の乳業メーカーはチーズの生産に注力するようになっており、その結果バター生産量は過去8年で最低水準に落ち込む見通しだ。欧州では農家の経済的な負担を軽減するため飼育頭数が減少傾向にあり、さらに家畜が「ブルータングウイルス」に感染するリスクにも直面していると、価格情報会社エクスパナの乳製品アナリスト、ホセ・サイス氏は指摘する。特にアジアでその傾向が顕著だ。 こうしたアジアの嗜好の変化を捉えたのが、香港を拠点とするフランス系ベーカリーチェーン「ベイクハウス」だ。 だが、世界有数の乳製品輸出国であり世界の牛乳供給量の約2.5%を支えるニュージーランドでも、バターの供給不足と価格高騰の影響を受けている。これにより同社は短期間のうちに仕入れ先をオーストラリアからニュージーランド、さらにベルギーへと切り替え、現在は第4の供給先の検討に入っているという。 ロンドンのクラーケンウェル地区に新たにオープンしたレストラン「モルチェラ」では、姉妹店「ペリラ」で人気だった焦がしバターとパンの提供を取りやめ、代わりにオリーブオイルを使うようになった。 さらに、ここ数週間欧州を襲っている熱波も状況を悪化させかねない。 ウィンブルドン観戦でイチゴに添えるクリームを求めるテニスファンや、街角でアイスを手に暑さをしのぐ人々は、「バターの価格を高止まりさせるばかりだとAHDBのスタナード氏は述べた。」
[紹介元] ブルームバーグ マーケットニュース バター高騰、クロワッサンや家庭の台所にも打撃-世界で需給逼迫