ブラックストーン、改革に挑む-PEの巨人から投資の「メガストア」へ
記事を要約すると以下のとおり。
かつて世界の超富裕層や機関投資家の「とりで」だった米ブラックストーンは、ジョン・グレイ社長の下で、一般層の投資家にも開かれた金融の「メガストア」へと生まれ変わりつつある。資金を長期間固定する従来のモデルからの抜本的な転換だった。逆に不況期には投資家が増えるほど、有望案件からの自分たちへの利益分配が減るとの懸念も広がっている。 ブランドを希薄化させず、伝統的年金が伸び悩む中で、アポロ・グローバル・マネジメントやKKR、カーライル・グループといったプライベートエクイティー(PE、未公開株)投資大手も、相次いで個人投資家の獲得に乗り出している。 個人向けへの進出は、大口投資家にも恩恵をもたらすとグレイ氏は不動産部門を率い、商業用不動産市場の回復にチャンスを見いだし、空きビルや破綻企業を安く買うよりも、安定した資産に高値で投資するほうが長期的に得策だという信念を磨いていった。 10年代の不動産ブームを背景に、グレイ氏は個人向けでより低リスクの新しいファンドを構想した。グレイ氏はさらに、企業向け貸し出しを行う「ブラックストーン・プライベート・クレジット・ファンド(BCRED)」の設定を主導した。 「コストは下げるべきだと確信していたと同氏は述べた。」ディストレスト(不良)債権投資は規模拡大が難しく、銀行や競合との関係維持にも悪影響を及ぼすと指摘した。 これらはグレイ氏が掲げる「3つのI」、つまり機関投資家(Institutions)と保険会社(Insurers)、個人投資家(Individuals)を統合する戦略の象徴だ。 金利上昇で不動産価格が急落し、BREITの個人投資家が一斉に償還を求めたのだ。 それを見たカリフォルニア大学の最高投資責任者が、数十億ドル規模の資金を投入して支援に乗り出した。 BREITの混乱を受け、ブラックストーンは初の個人向けPEファンド「BXPE」の立ち上げを延期し、出金制限も厳格化することにした。リスク分散が優先された。 それでも、同社の前にはまだ多くの試練が待ち受ける。2023年のブラックストーンホリデービデオでのグレイ氏Source:BlackstoneInc. 米証券取引委員会(SEC)元幹部で現在バージニア大学法学部教授のエディ・フー氏は、ブラックストーンが「流動性を管理しながら365日24時間常に投資先を見つけ続けなければならないサイクルに陥っている」と指摘。機関投資家顧客との信頼維持が不可欠だ。 グレイ氏は、リテール資金が急増しても、品質基準を落としてはならないと社内で繰り返し警告している。
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