米電気自動車(EV)メーカー、
テスラの株価は低空飛行が続く。販売台数も世界で落ち込みが鮮明だ。ウォール街の強気派ですら、テスラへの慎重な見方を強めている。だが、こうした逆風の中でも、これまで以上にテスラ株を買い増している層が存在する。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の熱烈なファンだ。
個人投資家の間でこうした「マスク信者」はかねて存在しており、X(旧ツイッター)上でのマスク氏の発言をつぶさに追っている。オンラインフォーラムでテスラを詳細に分析し、テスラ株のいわば応援部隊としても機能している。
だが、ファン層の熱意は過去の水準と比べても異様に高い。JPモルガン・チェースのグローバル株式デリバティブ担当ストラテジスト、エマ・ウー氏のデータによると、個人投資家は20日まで13営業日連続でテスラ株を買い越しており、テスラ株に80億ドル(約1兆1900億円)が流れ込んだ。流入額はデータがさかのぼれる2015年以降で最大だという。
Source: JPMorgan Chase 個人投資家による買いで特筆すべきは、テスラ株価が同期間に17%下落し、1550億ドル以上の時価総額が吹き飛んでいる点だ。
レディットのテスラ投資家向けのフォーラムでは「過去にTSLAで何度か機会を逃した。株価が大幅に下落したことで、今は買いの好機だろうか」との質問が寄せられていた。225-230ドルの水準でテスラ株を購入したことに「とても満足している」との声もあった。テスラ株は21日、5.3%上昇し248.66ドルで終えた。
データトレック・リサーチの共同創業者、ニコラス・コラス氏は「投資の初心者から中級者の一部はテスラ株のおかげで非常に裕福になり、多くのミリオネアが誕生した」と指摘。「こうした人々がそれを忘れることはない。テスラ株が売り込まれていると感じれば、テスラ株に何度も戻ってくるだろう」と話す。
テスラ株はトランプ大統領の返り咲きによって楽観ムードが高まっていた昨年12月17日に最高値を更新。だが、その後は熱狂が冷めるのに伴い、最高値から50%余り下落している。年初来ではS&P500種株価指数構成銘柄で下落率2位だ。20日には、マスク氏自身が社内会議でテスラ従業員の不安払しょくに努めており、21日の株価回復を促した可能性が高い。
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強気なアナリストも
モルガン・スタンレーのアナリストで、長年のテスラ強気派として知られるアダム・ジョナス氏は20日、同社の目標株価を引き下げ、売上高予想も下方修正した。競争の激化、新鮮味のない車種ラインナップ、そして「ネガティブなブランド感情によるボイコット」を理由に挙げた。一方で、「買い」推奨に相当する投資判断を維持した。ロボット工学や人工知能(AI)が将来の鍵を握るテスラにとって、短期的な見通しの弱さは「特段ストーリーを変えるものではない」という。
ウェドブッシュのアナリスト、ダニエル・アイブス氏は21日、重要な局面で社員と投資家を支えようとするマスク氏の取り組みを評価。マスク氏がビジョンの実現に向けて導けば、バリュエーションの9割を自動運転技術とロボット工学が主導する成長軌道に乗るだろうと述べた。この強気な見通しは、少なくとも一部の個人投資家がテスラを偏愛し続ける理由を説明するだろう。
前出のコラス氏は「このような投資家はバリュエーションなど全く気にしていない」とし、「彼らはただ、テスラの将来性とイーロン・マスク氏の能力を信じているだけだ」と語った。
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原題:
Tesla’s Retail Fanboys Buy the Stock At a Pace Never Seen Before(抜粋)






