日本銀行は19日の金融政策決定会合で金融政策の現状維持を決めた。米トランプ政権の関税政策などを踏まえ、各国の通商政策の動向と影響をリスク要因に加えた。
日銀は今回の会合で、政策金利である無担保コール翌日物金利が0.5%程度で推移するように促す金融市場調節方針を維持することを全員一致で決定した。
日本銀行本店
Photographer: Akio Kon/Bloomberg 声明文では、リスク要因について「各国の通商政策等の動きやその影響を受けた海外の経済・ 物価動向、資源価格の動向、企業の賃金・価格設定行動など」を挙げ、経済・物価を巡る不確実性は引き続き高いとしている。その下で、金融・為替市場の動向を含めて十分注視する必要があるとの認識を維持した。
消費者物価は目標の2%を上回る上昇が続き、今春闘では連合の第1回回答集計が2年連続で5%を超えるなど賃上げも好調だ。一方で米政権の関税政策で世界経済の不確実性が増し、商品券配布で石破茂政権の支持率が
急落する中、内外経済の先行きや1月利上げの影響を見極める段階にあると日銀は判断したとみられる。
野村証券の岡崎康平チーフマーケットエコノミストは、今回会合の結果に関して「1月の利上げの影響を見定めることと、海外経済についての点検という2本軸でやったということだと思う」と指摘。次回の利上げは7月を予想しており、その次が来年1月と半年に1回のペースを見込んでいる。
トランプ政権は米国の貿易相手国から譲歩を引き出し、不公平とされる貿易慣行の是正を目的とした戦略を推し進めている。12日には、鉄鋼とアルミニウムの輸入に対する25%の追加関税を予定通り発動。トランプ大統領は16日、全ての貿易相手国に対する広範囲にわたる相互関税と自動車を含む追加のセクター別関税の両方を4月2日に賦課する方針を表明した。
声明文では、日銀が重視する消費者物価の基調的上昇率について、2024年度から26年度までの経済・物価情勢の展望(展望リポート)の見通し期間後半には2%の物価安定目標とおおむね整合的な水準で推移するとの見方に変更はなかった。
ブルームバーグが4-10日に実施したエコノミスト調査では、今会合での追加利上げ予想はなかった。次の利上げのタイミングは7月の48%が最多で、次いで6月が15%、5月と9月が13%の順。一部で時期を前倒しする動きはあるものの、引き続き半年に1回程度の利上げペースが想定されている。
市場の一部に早期の追加利上げ観測もくすぶっている中で、植田和男総裁が午後の記者会見で内外の経済・物価の先行きや金融政策運営についてどのような見解を示すのか注目が集まっている。
MCPアセット・マネジメントの嶋津洋樹チーフストラテジストは、総裁会見が経済・物価は想定通りで利上げを模索する姿勢か通商政策のリスクのどちらに軸足を置くかで市場の反応は変わると指摘。高い賃上げによる消費回復が日銀のメインシナリオになってくるはずだとし、利上げは「四半期に一度の展望リポートのタイミングで行うのが最もあり得そうだ」と4-5月会合の可能性に言及した。
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(エコノミストコメントを追加して更新しました)
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