イングランド銀行(英中央銀行)のチーフエコノミスト、ヒュー・ピル氏は20日、今月の金融政策委員会(MPC)で政策金利の維持を支持した理由として、英国の金利の低下ペースが速すぎると懸念していると述べた。
ピル氏はロンドンのバークレイズで講演し、利下げの完全停止には賛成しないものの、2024年夏から行ってきた四半期に1度のペースの利下げより、「慎重な」アプローチが必要だと主張した。
ピル氏は、基礎的な賃金上昇の鈍化ペースが「減速」していると警告する一方、サービス部門のインフレは「根強い」と指摘した。
5月のMPCでは、ピル氏を含む2人の委員が利下げに反対し、政策金利の維持を支持した。MPCの過半数が政策金利を0.25%引き下げ4.25%とすることを支持し、別の2人はより大幅な緩和を求めた。
ピル氏は「私の反対票は、私たちが直面している物価安定へのリスクとのバランスを考えると、昨年夏以来の金融引き締めペースがあまりにも急速との懸念によるものだ。これは、過去12カ月間に私が表明してきた、金利の『慎重かつ段階的な』引き下げという方針と一致している」と述べた。
イングランド銀行(英中央銀行)のチーフエコノミスト、ヒュー・ピル氏
Photographer: Graeme Sloan/Bloomberg トランプ米大統領による世界貿易の混乱を受けて、金融政策当局者はより厳しい経済見通しに直面しているが、英国のインフレ率は上昇し、賃金上昇率も依然として高水準で推移すると予想されている。21日発表の最新統計では、インフレ率が3.3%と1年超ぶりの高水準となる見通しだ。
ピル氏は「23年の金利は若干低すぎる水準で頭打ちとなり、MPCは24年の利下げを若干急ぎすぎた」との見方を示した。
同氏は、高インフレにより家計が圧迫されてきた労働者が賃金上昇を求める中で、「実質所得の抵抗力」が強まっている兆しを指摘した。「近年、目標を大幅に上回るインフレが長期化した経験を踏まえると、価格と賃金設定行動の構造的変化がもたらす、インフレへの潜在的影響を懸念している」と述べた。
原題:
BOE’s Pill Warns UK Interest Rates Are Being Cut Too Quickly(抜粋)





