英国の長期債利回りがほぼ26年ぶりの高水準に接近した。大規模な国債入札を週内に控えているだけに、リーブス英財務相には利回り上昇を抑えるよう圧力が強まっている。
6日の取引で英30年債利回りは一時4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇して5.19%を付けた。2023年のピークである5.21%に迫り、1998年以来となる水準に近づいた。
英政府は昨年10月に発表した
予算案で過去最高に近い借り入れ計画を明らかにし、財政を巡る懸念が再燃。この計画で英国債は売られ、指標の10年債利回りは10月下旬以降に約40bp上昇した。
トロント・ドミニオン銀行で欧州金利担当シニアストラテジストを務めるプージャ・クムラ氏は、「予算が利回り曲線全体を押し上げ続けている」と指摘。「この予算に従えば、供給は増加する。とりわけ、1-3月(第1四半期)にはそれが目に見える形で表れるだろう」と語った。
市場の動きは、英政府が危険な橋を渡ろうとしていることを浮き彫りにする。保守党のトラス元首相が財源のない大型減税で招いた大混乱の記憶を払拭し、市場を味方に付けたいリーブス氏だが、国債増発を嫌気して10月の予算案発表直後に利回りが急騰するなど、
債券自警団の警告を既に受けている。
ゆとりが大きく消失
リーブス氏は2029-30年度には日常的な支出を賄うための借り入れを行わないことを財政規則の柱に据え、これは譲れない線だと明言している。だが、財政のゆとりをわずか99億ポンド(約1兆9500億円)しか持たせておらず、規則を貫徹できるのか危うくなる恐れもある。
「短期と長期の両方の金利見通しが上振れしていることから、予算責任局(OBR)が中期財政見通しを更新すれば、リーブス氏は自身の財政規則を維持できなくなる公算が大きい」と、ドイツ銀行の英国担当エコノミスト、サンジェイ・ラジャ氏は顧客向けリポートで論じた。
コンサルティング会社オックスフォード・エコノミクスのアンドルー・グッドウィン氏は、利回り上昇の結果および金利上昇見通しにより、英国の財政余力は約60億ポンド失われたとの見方を示した。「財政のゆとりは既に極めて小さかったが、それがさらに小さくなった」と述べた。
英債務管理庁(DMO)は今週、5年債と30年債を合わせて65億ポンド発行する予定。これに加え、イングランド銀行(英中央銀行)は量的引き締めの一環として期間7年-20年の保有国債を売却し、バランスシートを縮小する。
7日に行われる30年債入札では、平均落札利回りが5%台となる見通しだ。そうなれば、ブレア内閣のブラウン財務相時代以来だ。12月にDMOが実施した22億5000万ポンド規模の前回の国債入札では、応募額が発行額の3倍に上った。
原題:
Reeves Under Pressure With UK Debt Costs Near 1998 Levels (1)(抜粋)






