欧州中央銀行(ECB)は景気の基本シナリオに過度に依存すべきではなく、経済成長やインフレが予想と異なる場合には速やかに対応する必要があると2人の政策委員会メンバーが13日指摘した。
スペイン中銀のエスクリバ総裁は「不確実性が高まる局面では、中心的なシナリオは情報価値が薄れる。対応策として、十分に整い、うまく考案された代替シナリオにより大きな重要性を持たせるべきだと思う」とチューリヒの会議で述べた。
アイルランド中銀のマクルーフ総裁も同じ認識を示し、地経学的な分断によって引き起こされる新たな性質の供給ショックに対し、金融政策は対処しなければならないと説明。「新たな地経学的枠組みがどうなるか不確実性が大きい中で、シナリオの分析は、あり得る結果のレンジ感覚を示してくれる」と語った。
エスクリバ氏はまた、同じく政策委メンバーのナーゲル・ドイツ連邦銀行総裁と共に南ドイツ新聞とスペイン紙ムンドに12日に掲載された共同インタビューで、トランプ米政権がもたらす課題に触れ、ユーロ圏における金融政策の策定が難しくなっていると分析。
エスクリバ氏は「現状を評価する上で謙虚である必要がある」と述べ、ECBはさらなる情報収集に取り組み、「どの要因が優勢なのかを見極めるよう図る」べきだと促した。
ナーゲル氏は「金融政策の判断を巡り、慎重であることが重要で、すぐに変わる可能性のある特定の発表を過度に重視して過剰反応すべきではない」と述べた。
両氏は政策の方向性には具体的に言及せず、ナーゲル氏はECBがデータに基づき、会合ごとに適切な方針を決定する姿勢を強調。「これまでのところ、この戦略は成功している。ユーロ圏のインフレ率は2%強まで低下した」と同氏は述べた。
Source: Bloomberg Economics ECB政策委メンバーのカザークス・ラトビア中銀総裁は12日、追加利下げを支持する一方で、慎重なスタンスを呼びかけた。
カザークス氏は公共放送LTVとのインタビューで、「次回の金融政策会合は6月上旬に予定されており、その時点で新たなデータが出そろう。それを見て判断することになる」と述べ、「現在の金融市場は、6月の追加利下げを想定している」とも話した。
「現在手元にあるデータを見る限りでは、もう一段の利下げは妥当だと考えている」とし、「もし欧州のインフレ率が2%近辺にとどまり、このまま2%程度に収束していく傾向が続くのであれば、慎重かつ段階的な利下げが可能」との見解を示した。
原題:
ECB Officials Urge Scenario Analysis to Cope With Trade Turmoil、ECB Must Be Cautious on Next Rate Steps, Nagel and Escriva Say、
ECB’s Kazaks Sees Reason for Another Rate Cut, But Urges Caution(抜粋)






