国際通貨基金(IMF)のギータ・ゴピナート筆頭副専務理事は28日、債券市場は「脆弱(ぜいじゃく)な状態にある」にあると述べ、世界の借り入れ水準に対する慢心に警鐘を鳴らした。
「債務水準は極めて高く、今も増え続けている」とゴピナート氏はブルームバーグテレビジョンのインタビューで指摘。「以前なら『だから何だ。市場は受け入れる』と考えたかもしれないが、先進国ですら、もはやそういう状況にはない」と述べた。
具体的にはフランスや英国の国債市場でみられる債務に対する懸念の兆候や、米国の長期金利の上昇を指摘した。
フランスでは、予算編成を巡る政局の混乱を背景に、30年債利回りが今週14年ぶりの水準に上昇。英国でも、30年債利回りが1998年以来の高水準付近で推移しており、スターマー政権に歳出抑制への圧力が高まっている。米30年債利回りも、過去数年の平均を大きく上回る水準で推移している。
「債券市場は脆弱で、株式市場のバリュエーションは非常に高い。慎重な対応が必要だ」とゴピナート氏は述べた。
近年では、新型コロナウイルス禍、戦争、地政学的分断、急激な米利上げといった一連の出来事が起きても金融危機が発生していない点に言及し、「それが今後も起きないことを意味するわけではない」と安易な楽観論を戒めた。
米連邦準備制度理事会(FRB)の独立性を巡っては、市場が大きな反応を示さなかったのは、投資家がFRBの独立性を依然として信じている証左だとしつつ、多くの関係者が「様子見の姿勢」を取っているとの見方を示した。
ゴピナート氏は「市場が落ち着いているのは、金融政策金利の設定における独立性、特に政策運営上の独立性が維持されると信じているのだろう」と指摘した上で、「市場の反応以上に懸念すべき点がある。しかし、動向を見守らなければならない」と述べた。
同氏はIMFナンバー2の現職ポストを今週退任し、ハーバード大学の教職に復帰する予定。
インタビューに応じるゴピナート氏(動画)
Source: Bloomberg原題:
IMF’s No. 2 Warns on ‘Fragile’ Bond Markets, Complacency on Debt(抜粋)






