究極のクリーン発電とされる核融合は5年以内に現実になる。ハイテク投資で知られる資産家のビノッド・コースラ氏が述べた。
サム・アルトマン氏のオープンAIにいち早く投資し、人工知能(AI)の強力な推進者として知られるコースラ氏は、データセンターのエネルギー需要を満たす上で核融合が鍵になると主張する。
原子核同士を急速に衝突させることでエネルギーを発生する核融合は、無限でクリーンなベースロード電源を求める投資家や起業家の夢だった。この技術は2022年、投入エネルギーを上回るエネルギーを取り出すことに成功し、飛躍的な進展を遂げた。
しかし実用化への道は険しく、実現の可能性には疑問符が付く。しかしAIデータセンターのブームを一因に電力需要が急増したため、核融合という野心的なアプローチと従来式の原子力発電の両方に対する関心が再び高まっている。
原発に対しては最近、大型ハイテク企業からの大規模投資が相次いでいる。
マイクロソフトはデータセンターへの電力供給を目指し、運転を停止しているスリーマイル島原発の再稼働を支援する。
アルファベットと
アマゾンはそれぞれ、新興の原発技術である小型モジュール炉(SMR)に投資。しかし従来式の原発では長期的な解決策としては弱いとコースラ氏は指摘する。
「5年後、6年後には原発が話題になることはないだろう。核融合が現実になるからだ」とコースラ氏はブルームバーグ・グリーンのポッドキャスト向けのインタビューで話した。原発の再稼働が広がるには、わが家の裏にはお断りという意味の「NIMBY(ニンビー)主義」が障害になるだろうとも同氏は指摘した。
アマゾンとコースラ氏では支持する原子力技術が異なるものの、いずれも2040年までに商業規模に達するとみている。アマゾンは資産家ケン・グリフィン氏と共に、2039年までに5ギガワット級のSMR稼働を目指している。一方のコースラ氏は30年代初期までに世界初の核融合プラントが稼働すると予想。プラントの立地としては既存の石炭プラントが理想的だとも考えている。
「許可の変更や新たな送電網への接続といった面倒なプロセスが不要になる。新たに発電所を建てるよりはるかに短期間で済むと思う」と述べた。
10年余り前から気候変動に関する投資に積極的なコースラ氏は、AIの伝道師でもある。AIが環境に与える影響を懸念する他の活動家と異なり、同氏はAIがクリーンエネルギーの需要押し上げに貢献するとみている。
「需要側の問題が解決されたことは本当に喜ばしい」とコースラ氏。「電力は長期の計画を必要とするため、比較的難しい問題だ」と述べた。AIのアルゴリズムも時間とともに効率性が高まり、より少ないエネルギーを必要とするようになるとも同氏は考えている。
関連記事
アマゾンとグリフィン氏、次世代原子炉技術のX-エナジーに投資
グーグルが小型原子炉建設を支援-新興企業カイロスと電力購入契約
アマゾン、アジアでは再生可能エネルギーを優先-原子力なお調達困難
グーグル、データセンターへの原発活用で電力会社と協議-日本も視野
スリーマイル原発が復活へ、AI需要でマイクロソフトが電力購入
原題:
Vinod Khosla Says ‘Fusion Will Be Real’ Within Next Five Years(抜粋)






