投資家が米利下げペース鈍化の可能性について思案する中、オーストラリアから日本まで至る所で債券が売られている。米政策見通しの見直しは世界中で債券のポジショニングを覆すリスクがある。
10年物オーストラリア国債の利回りは一時10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇。21日の米国債の急落に追随した。ニュージーランドの10年物利回りは一時7bp上昇、
日本は2bp上昇して0.975%と、2カ月ぶり高水準に迫った。
世界的な債券売りの背景には、米利下げに関する市場の期待が再び行き過ぎたのではないかという投資家の疑念がある。米経済の堅調さ、ドナルド・トランプ氏の大統領選勝利の可能性が高まったこと、金融緩和ペースについての当局者の
慎重な発言で、債券相場上昇を見込んでいた世界中の債券トレーダーの見通しが揺らいだ。
「センチメントが極端に弱気な市場でも、債券が売られている」と、TDセキュリティーズのシニア金利ストラテジスト、プラシャント・ニューナハ氏(シンガポール在勤)は
ニュージーランドの債券を例に挙げて述べた。「FRBは今後6カ月間金利を据え置く可能性があるが、市場はそのシナリオを十分に織り込んでいない」と指摘した。
オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)は、FRBによる11月の0.25ポイント利下げはもはや確実ではないことを示唆している。
アポロ・マネジメントなどは、次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合で金利が据え置かれる可能性があるとみている。また、ティー・ロウ・プライスなどは、成長改善で利下げ幅が小さくなる可能性を考慮し、米10年債利回り来年5%に上昇することを見込んでいる。
関連記事:
10年物米国債利回りは6カ月以内に5%に達する可能性-ティー・ロウ
金利軌道のリプライシングは他の場所でも起こっている。
スワップ金利は、オーストラリア準備銀行が来年8月末までに政策金利を50bp程度引き下げることを示唆しているが、これは9月の政策決定会合後に織り込まれていた利下げ幅の半分。また、トレーダーは日本銀行の次回利上げ時期の見通しを来年6月と、先月見込んでいた同年7月以降から前倒しした。
誰もが債券の売り圧力が強まると予想しているわけではない。みずほセキュリティーズシンガポールの債券セールス担当副社長、ルシンダ・ハレムザ氏は「中東情勢緊迫化またはハリス候補の米大統領選勝利によって、より大幅な上昇となるリスクがある」と警鐘を鳴らした。
しかし当面は、米国債の供給増や選挙のヘッジ、共和党が選挙で圧勝するリスクを先取りする市場の動きなどが債券の重しとなるかもしれない。
関連記事:
トランプ氏と共和党圧勝でも米国債への影響限定的-モルガンS予想
ブラックロック・インベストメント・インスティチュートは、短期の米国債をアンダーウエートとしている1社。
ウェイ・リ氏ら同社のストラテジストはリポートで「FRBが市場が予想するほど大幅な利下げを行うとは考えていない」とし、労働人口の高齢化、持続する財政赤字、地政学的な分裂などの構造的変化の影響にで「中期的にはインフレ率と政策金利は高止まりする」と予想した。
原題:
Bonds Are Selling Off Everywhere as Traders Trim Rate-Cut Bets、
Bonds Are Selling Off Everywhere as Traders Trim Rate-Cut Bets(抜粋)
(第7段落以下を追加します)







