ロシアは米国への濃縮ウラン輸出を一時的に制限する。米国の電力のおよそ2割を担う原子力エネルギーを利用する電力会社にとって、供給リスクが生じる可能性がある。
ロシア政府が15日テレグラムに掲載した発表文では、輸出制限の詳細や期間は明らかにされていない。電力会社は通常、かなり前に購入を済ませるため、即座に影響が出る可能性は低い。
それでもロシアの動きは、核燃料サイクルにおける米国の弱点を突こうとしている。ロシアは世界のウラン生産能力の半分近くを支配し、昨年は米国が必要とする濃縮ウランの4分の1余りを供給した。
ウラン燃料市場を追跡調査するUxCのジョナサン・ヒンツェ社長は「供給を見込んでいたが、いまや入手が不透明だという電力会社が恐らく幾つかはあるだろう」と指摘。今年分の大半の受け渡しは既に完了しているが、来年から影響が表れ始め、代替供給が見つからない電力会社も出てくる恐れがあると、同氏は述べた。
バイデン政権は多額の資金を投じて国内でのウラン濃縮能力を再開させる取り組みを開始したが、まだ初期段階に過ぎない。米国の商業用ウラン濃縮施設は現在1つだけで、英国とオランダ、ドイツのコンソーシアムであるウレンコがニューメキシコ州に保有する。
ブルームバーグNEF(BNEF)の原子力アナリスト、クリス・ガドムスキ氏は「米国には十分な濃縮ウランがない」と指摘。電力会社は「こうした事態を見越して、濃縮ウランを蓄えているはずだ」と述べた。
ロシアは同国産濃縮ウランの輸入を米国が禁止したことへの対応だと説明した。この禁輸はバイデン大統領が5月に署名して法制化されたが、免除制度があり2028年まで輸入を継続することが認められている。
原題:
Russia Temporarily Limits Enriched-Uranium Supplies to US (1)(抜粋)




