4月の米生産者物価指数(PPI)は予想外に低下し、5年ぶりの大幅な落ち込みとなった。総じてマージンの低下を反映しており、企業が関税引き上げによる影響を一部吸収していることを示唆している。
キーポイント
PPI(最終需要向け財・サービス)は前月比0.5%低下
エコノミスト予想の中央値は0.2%上昇
前月は横ばい(速報値は0.4%低下)に修正
前年同月比では2.4%上昇
市場予想は2.5%上昇
前月は3.4%上昇(速報値は2.7%上昇)に修正
食品とエネルギーを除くベースでは0.4%低下し、2015年以来の大幅低下となった。
食品とエネルギー、貿易サービスを除くベースでは0.1%下がり、5年ぶりの低下となった。前年同月比では2.9%上昇。この指標はより変動が少なく、エコノミストが重視する。
今回の統計からは、米国の製造・サービス業が現時点では関税引き上げの影響を価格に転嫁することを控えている様子がうかがわれる。生産者は関税により輸入原材料などで打撃を受けているが、消費者への影響はこれまでのところ限定的だ。
パンテオン・マクロエコノミクスの米国チーフエコノミスト、サミュエル・トムズ氏はリポートで、「流通業者は現時点で全ての追加コストを消費者に転嫁していない」と指摘。2018年に洗濯機への関税が課された際も、消費者が価格上昇を実感するまでに約3カ月を要した点に言及した。その上で「企業の利益率が持続的に圧迫されているるかどうかを判断するには、なお時間を要するだろう」と述べた。
企業経営者は二転三転する政策環境下で、関税引き上げの影響を最小限に抑えるための最善の方策を模索している。アトランタ連銀の企業インフレ期待調査では、コストが10%上昇した場合にその全額を転嫁できると回答した企業は2割に満たなかった。
PPI統計によると、食品とエネルギーを除く財価格は0.4%上昇した。コンピューターや産業用搬送機器など企業設備のコストは上昇ペースが加速した。
食品価格は2カ月連続で低下。高騰していた卵は39%余り下落した。エネルギー価格は3カ月連続で下がった。
最終需要のサービス価格は0.7%下がり、データでさかのぼれる2009年以降で最大の落ち込みとなった。このうち40%以上は、機械と自動車の卸売りにおける利益率低下が要因だった。
個人消費支出(PCE)価格指数の算出に用いられるPPIの項目は総じて弱含みだった。とりわけポートフォリオ運用費と航空運賃の低下が目立った。PCE価格指数はインフレ指標として米連邦準備制度理事会(FRB)が重視するため、アナリストはこれらのPPI項目に注目している。
一方、医療関連の項目は上昇した。4月のPCEデータは30日に発表予定。
関税がコスト増を招く恐れがある半面、多くのコモディティー(商品)価格が抑制された水準にあり、価格転嫁の度合いを和らげるかもしれない。
生産過程における比較的早い段階での物価を反映する中間財は小幅に上昇。前月は低下していた。原材料価格は食品およびエネルギー価格の下落を背景に大幅低下した。
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:
US Producer Prices Fell Unexpectedly in April as Margins Shrank(抜粋)
(アナリストのコメントと最終4段落に詳細を追加して更新します)






