29日の金融市場では、ドルが上げを縮小。米国際貿易裁判所がトランプ大統領の関税の多くについて
違法と判断し、ドルは一時急伸したが、長期的な弱気見通しに変化はない様子だ。
ブルームバーグ・ドル指数は1週間ぶりの高値を付けたが、ロンドン時間正午までに上げをほぼ解消した。ホワイトハウスは控訴する方針を既に発表し、トランプ氏が看板政策である関税賦課を確実に行おうとするなら多数の代替措置があるとストラテジストらは
指摘した。
今年の市場は関税とその報復措置、トランプ氏による度重なる延期と撤回で動揺が続いているが、裁判所の判決はトレーダーの判断をいっそう難しくする。結局のところ、こうした展開は米国資産が長らく享受してきた特別の地位を失わせ、外国人投資家がポートフォリオを調整する中で「
米国売り」が加速した。
元ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント会長のジム・オニール氏は「この先1年で、ドルが弱含む以外のシナリオは考えにくい。ドルは大幅に過大評価されている」と、ブルームバーグテレビジョンのインタビューで指摘。関税引き下げの見通しが浮上してドル相場が安定する可能性もあるが、それは一時的で、他国・地域の株式市場への資金流出が続いてドルを押し下げると、オニール氏はみている。
ブルームバーグ・ドル指数は2月の高値から7%余り下落している。29日は0.4%上昇する場面もあったが、上昇は長続きしなかった。
米10年債利回りは一時5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇して4.53%、2年債利回りは6bp上昇の4.05%前後で推移している。
みずほインターナショナルの欧州・中東・アフリカ(EMEA)地域マクロ戦略部門責任者ジョーダン・ロチェスター氏は今回の判決について「市場にとっては、同じ道筋・同じ最終目標に向かう中でのわずかな逸脱にすぎない。関税はやって来る」と述べた。「ただし、米国の成長期待がやや高まり、ドルに対する弱気コンセンサスが少し押し戻され、一定のショートカバーはあるかもしれない」との見方を示した。
29日のアジア時間帯では、円とスイス・フランがドルに対する下げを主導した。だが、ロンドン時間の午後に入り、円は下げをほぼ解消した。
原題:
Dollar Bounce Is Short-Lived After Trump Tariffs Move Into Limbo(抜粋)






