米財務省は5日に発表した外国為替報告書で、貿易相手国・地域に対する為替操作国の認定を見送った。一方で、中国の「透明性の欠如」を批判した。
同省はトランプ政権2期目初の報告書で、貿易相手国・地域の為替政策の分析を今後強化する方針を示した。また「不公正」な為替慣行への動きに対し厳しく警告した。
ベッセント財務長官は発表文で、「トランプ政権は、米国との不均衡な貿易関係を助長するマクロ経済政策はもはや容認しないと貿易相手国・地域に警告してきた」とした上で、「為替政策の分析を引き続き強化し、操作を認定した国・地域に対する措置を厳格化する」と表明した。
今回の報告書では、アイルランドとスイスが新たに監視リストの対象に追加された。既に掲載済みの中国、日本、韓国、台湾、シンガポール、ベトナム、ドイツと合わせてリスト入りは計9カ国・地域となった。
トランプ大統領は以前から、中国を含む複数の国が過小評価された為替レートを維持し、対米貿易黒字を拡大してきたと非難してきた。しかし、この問題に対処する手段は現時点では関税が中心となっている。ベッセント氏は中国や日本、韓国などの貿易相手国との協議で為替政策が議題に上ったことはないと述べている。
スコシアバンクのチーフ為替ストラテジスト、ショーン・オズボーン氏は「貿易戦争における第一の攻撃手段は関税だ」とした上で、「関税が現政権の目的を達成できなければ、今後、為替政策がより大きな役割を果たす可能性がある」と指摘した。
2015年の法律に基づく三つの基準のうち、二つを貿易相手国・地域が満たすと、分析強化のために監視リストに追加される。
監視リストの3基準
少なくとも150億ドル(現行レートで約2兆1500億円)以上の対米貿易黒字
国内総生産(GDP)比3%以上の経常収支黒字
為替介入が過去12カ月間のうち8カ月以上にわたり繰り返し実施され、ネットの介入額がGDP比2%以上
財務省当局者は記者団との電話会見で、中国は二つの基準を満たしていないものの引き続き監視リストの対象となっていると説明した。
今回の為替報告書でもこれまでと同様、主要貿易相手国・地域の中で特に中国について「為替政策と為替慣行を巡る透明性の欠如」で際立っていると批判した。
その上で「今後、中国が人民元高を抑える目的で、公式・非公式を問わず為替介入を行っている証拠が十分に確認されれば、たとえ透明性に欠けていても、財務省は為替操作国の認定に踏み切る構えだ」と警告した。
原題:
US Refrains From Using Currency Manipulator Tag, Blasts China、
US Refrains From Using Currency Manipulator Tag, Blasts China(抜粋)
(財務省当局者のコメントなどを追加して更新します)





