イラン指導部に迫る審判の時-イスラエルの攻撃激化でジレンマに直面
記事を要約すると以下のとおり。
イスラエルが13日、イランに先制攻撃を実施して数時間後、ネタニヤフ首相はイラン国民に直接呼び掛けるビデオメッセージを配信した。イスラエルがイランの弱点を突いて経済的不満をあおり、半世紀近くイランを統治してきた聖職者政権の打倒を誘発しようとしていることが示された。 イラン政府は今、ジレンマに直面している。ネタニヤフ氏はトランプ米大統領の誕生日を祝った上で、イスラエル空軍がイランの高官が既に荷造りを始めているという情報がある。 また、15日にはFOXニュースに対し、イランにとって最悪の攻撃だ。 13日のロンドン市場では、原油相場が一時13%高と、単日の上昇幅としては2022年のロシアによるウクライナ侵攻以来最大となった。 この作戦はハマスの壊滅から始まり、イランが支援するレバノンのヒズボラを標的とした攻撃や指導者暗殺へと続いた。 イランのペゼシュキアン大統領の元顧問で、長年にわたり体制改革を訴えてきた経済学者、サイード・ライラズ氏は「イランの限界点が私の予想よりずっと早く訪れたように見受けられる」とし、「イランにはこれよりはるかに大きな耐性があると思っていたと明かした。 しかし、米国を戦争に巻き込むリスクや、サウジアラビアなど湾岸諸国との関係改善を損なう懸念から、イランがそうした選択肢を取る可能性は低いとみられている。 世界2位の天然ガス埋蔵量を有するイランだが、昨年末には記録的な需要の高まりの中で、反政府デモは頻度が増して規模も拡大した。イランの司法当局と治安機関は反体制運動に対イラン制裁を強化し、デモで逮捕された若者を絞首刑とすることもあった。ブルームバーグが確認した文書やこの件に詳しい欧米当局者によれば、イラン国民が政府の下に結束するリスクがあるとイスラエルは判断していた。「これが通貨のさらなる下落を引き起こし、既に高水準にあるインフレが悪化して購買力が一層低下する可能性がある。」一方、米欧の支援と地域で最も先進的な軍事技術に支えられたイスラエルの攻撃を自国に対する宣戦布告と見なしていると語る。イランの指導者は降伏する前にそれらの大半を使用し、数千人の米国人を殺害するだろうとイザディ氏は発言。それが彼らが直面する結果になるだろうと論じた。米ニュースサイトのアクシオスは14日、匿名のイスラエル関係者2人の話として、同国がイランの核開発計画を破壊する戦いに米国の参加を求めていると報じた。一方で同じ日にABCニュースに対しては、米国がこの紛争に関与する可能性があるとも語っている。またトランプ氏、イスラエルのハメネイ師暗殺計画に反対-当局者(1) 米国とイランの核活動を抑制する代わりに制裁を緩和し、対立を解消することを目的としていたが、頓挫した。イスラエルの行動に強い懸念を抱いており、紛争に巻き込まれることを望んでいない。 また、問題のデリケートさを理由に匿名を条件に語った湾岸諸国の高官は、イスラエルが単独で攻撃を行ったとしても、せいぜいイランの核開発計画を1年遅らせるのが限界であり、その間にイラン政府が核兵器の開発に踏み切る可能性を考慮すれば、イラン国内にとどまらず地域全体に壊滅的な影響を及ぼす恐れがあると述べた。 米国がイスラエルの攻撃に加わるかどうかは、イランに合意を求めている。イスラエルによるイラン空爆後に撮影されたイスファハンのウラン濃縮施設の衛星画像(6月14日)Source:MaxarTechnologies イランは引き続き相当数の弾道ミサイルを保有している。フーシ派はイスラエルを攻撃できる能力を持ち、紅海での貿易を妨害し、米海軍の艦船を威嚇することも可能なことを証明してきた。イランは攻撃されたり脅されたりするたびに、強い国家主義的傾向を持つ国として一致団結してきた。 「イランは過去1年間で弱体化してはいるが、特にここ数日の動きを踏まえると、本質的に弱いわけではないと、クウェート大学の助教で、英国の独立系シンクタンク、チャタム・ハウスのアソシエートフェロー、バデル・アルサイフ氏は語る。」
[紹介元] ブルームバーグ マーケットニュース イラン指導部に迫る審判の時-イスラエルの攻撃激化でジレンマに直面