昨日の米国経済ニュースから注目すべき5つのトピックをピックアップし、全体像を整理します。景気減速のリスクが指摘されつつも、米国市場には回復力と新たな懸念が混在しています。雇用や消費の現状、世界的な成長予測、金利や政局動向、AI投資や地政学リスクなど、専門的な定量データをもとに、今後を展望します。
2025年後半の米国株式市場見通し
2025年前半は大きな値動きに見舞われましたが、直近では主要指数が底堅さを見せています。6月17日時点で、ナスダック総合は年初来-23%から1.1%上昇、S&P500も-18%から1.7%のプラスとなっています（出典：What Will Markets Bring In The Last Half Of 2025? Here Are A Few Clues.）。楽観的な見方もある一方で、レアアースなど重要資源へのアクセス問題や、AIデータセンター建設に関する過剰投資の懸念が識者から指摘されています。
経済成長率見通しと世界の動向
OECD（経済協力開発機構）は、2025年と2026年の世界経済成長率見通しを2.9%へと下方修正しました。これは2024年の3.3%に比べて減速傾向を示しています。アトランタ連邦準備銀行の見通しと異なる認識で、米国GDPも減速が懸念されています（出典：What Will Markets Bring In The Last Half Of 2025? Here Are A Few Clues.）。各国の経済政策や地政学リスクの動向次第で、変動幅がさらに拡大する可能性も指摘されています。
米国雇用市場と消費の底堅さ
2025年5月には、米国で13万9000人の新規雇用が生まれ、市場予想（12万9000人）を上回りました。政府雇用の一部減少があるものの、民間主導での人材確保が続いています。また、消費の冷え込みも見られず、リセッション（景気後退）はかろうじて回避するとの予測が有力です。専門家Seema Shah氏は、政策不透明感のなかでも『景気後退をギリギリで回避する』とのベースシナリオを示しています（出典：What Will Markets Bring In The Last Half Of 2025? Here Are A Few Clues.）。
政策金利の行方と大統領選の影響
連邦準備制度理事会（FRB）は中立金利を目指して調整を継続中です。2025年の金利引き下げをめぐり、大統領選後の政策転換に注目が集まっています。新大統領がFRBの金利スタンスに与える影響、金融市場の反応にも要警戒です（出典：What Is A Power Trend And How Can It Help You Maximize Gains?／Israel-Iran Conflict: How Investors Can Navigate The Market As Middle East Tensions Flare）。
地政学リスク：中東情勢と市場への影響
イスラエル・イラン間の緊張激化に加え、米政権の対応次第でエネルギー市場や投資家心理に与える影響が強まっています。トランプ前大統領の動向も含め、不測の事態が発生すれば株価や原油価格の急変動も考えられます（出典：Dow Jones Futures Rise Ahead Of Fed Chief Powell; Trump Mulls Iran Decision／Israel-Iran Conflict: How Investors Can Navigate The Market As Middle East Tensions Flare）。
