米国企業には、関税、インフレ、消費者の需要など多くの懸念材料があるが、「景気後退」はその中には含まれていないようだ。
今年の4-6月期の決算説明会で、S&P500種株価指数に上場する企業の経営幹部らが「景気後退(リセッション)」に言及した回数は、これまでのところ300回未満にとどまっている。これは、2001年以降のブルームバーグのデータの中でも最低水準に近い。これは、前四半期に米国の大規模な関税発動を受けて景気悪化への懸念が高まった状況から見ると、劇的な変化だ。
企業決算が3年以上ぶりに好調となったことを受け、米国株は史上最高値を更新している。ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のデータによると、1株当たり利益(EPS)は10.5%増と、予想の2.8%を大きく上回った。
RBCキャピタル・マーケッツによる分析では、決算シーズン終盤にかけて、米企業幹部の発言のトーンが改善していることが示されている。消費者需要に関しては企業によって見解が分かれており、堅調な傾向を指摘する声もあれば、需要の遅れを懸念する声もあった。
同社のストラテジスト、ロリ・カルヴァシナ氏は、消費者関連企業が顧客について「回復力はあるが慎重で、価格に敏感で、グレードを落として選別的に行動している」との認識を示していると述べた。
最近の経済指標は景気減速の兆しを示しているものの、投資家は、米連邦準備制度理事会(FRB)が適切なタイミングで利下げを実施し、景気後退を回避できるとの楽観的な見方を強めている。スワップ取引市場では、2026年半ばまでに約100ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利下げが織り込まれている。景気後退の見通しは低下しており、6月末の40%から、現在は35%となっている。
投資家のセンチメントも改善している。
バンク・オブ・アメリカ(BofA)の最新調査によると、投資家の強気姿勢は過去6カ月で最も高く、トランプ米大統領による大規模な関税の発表で金融市場が混乱し、景気後退への懸念を引き起こす前の水準に戻った。BofAのストラテジスト、マイケル・ハートネット氏は、投資家が「ハードランディング」の可能性を1月以来最も低く見積もっていると指摘した。
一方で、米国の平均関税率は現在15.2%と、第2次世界大戦時代以来の高さに達している。ただ、ドイツ銀行によると、第2四半期に関税が大きな逆風となった企業は一部にとどまるという。
同銀ストラテジストのビンキー・チャーダ氏は「全体として影響は穏やかで、以前に懸念されていたほど深刻ではなかった。ただ、今後は拡大する可能性がある」と述べた。
原題:
CEOs Are Hardly Talking About a Recession This Reporting Season(抜粋)






