21日の日本市場では債券が売られ、長期金利(新発10年債利回り)は2008年以来の高水準を更新した。日本銀行による追加利上げ観測と根強い財政懸念が背景にある。株式は3日続落、円は1ドル=147円台半ばと小幅下落した。
日銀がインフレ対応で「後手に回っている」とのベッセント米財務長官の
発言以降、市場では追加利上げの観測が強まりつつある。4-6月期の実質国内総生産(
GDP)が市場予想を上回ったことも金融正常化が進むとの思惑に拍車をかけた。財政拡大に伴う国債発行の増加が長期金利の上昇圧力になるとの警戒感も強い。スワップ市場が織り込む10月までの日銀利上げ確率は5割程度だ。
新発20年国債利回りも1999年以来の高水準を更新した。財政拡大への懸念に加え、超長期債の買い手不足で利回りに上昇圧力がかかっている。オリックス生命保険資産運用部の嶋村哲マネジング・ディレクターは、さらなる金利上昇への警戒からポジション調整を含めた売りが出ている可能性を指摘した。
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国内債券・株式・為替相場の動き-午後3時30分
長期国債先物9月物の終値は前日比4銭高の137円56銭
新発10年債利回りは一時0.5ベーシスポイント(bp)高い1.61%-08年以来の高水準
東証株価指数(TOPIX)の終値は前日比0.5%安の3082.95
日経平均株価は0.6%安の4万2610円17銭
円は対ドルでニューヨーク終値比0.1%安の147円49銭
債券
債券は中期債や超長期債などが下落。流動性供給入札の結果が発表された後、売りが先行した。
パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、流動性供給入札はそれほど悪い結果ではなかったとした上で、19日の20年債入札時のように「入札後の市場の反応が悪く、売られやすい地合いが続いている」と述べた。一方、ここ数日債券が売られた結果、値ごろ感を意識した買い戻しも入っていると指摘した。
新発国債利回り(午後3時時点)
2年債
5年債
10年債
20年債
30年債
40年債
0.850%
1.150%
1.605%
2.640%
3.180%
3.425%
前日比
横ばい
+0.5bp
横ばい
+0.5bp
+0.5bp
+0.5bp
株式
株式は3日続落。自動車や医薬品、情報・通信が下げたほか、前日に上げた陸運や建設では利益確定売りが膨らんだ。きょうから始まる米カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム、ジャクソンホール会合を前に米金融政策を見極めたいとの雰囲気が強かった。
半面、前日に大きく調整した
アドバンテストや
フジクラなど人工知能(AI)関連の一角には押し目買いが入った。株価に出遅れ感のある化学や鉄鋼など素材株も上昇した。
りそなアセットマネジメントの下出衛チーフストラテジストは「きょうの下落はスピード調整の範囲内だろう」と指摘。「ジャクソンホール会合を前に投資家はリスクを取りにくい」としつつ、9月の米利下げはほぼ間違いないという市場の見方は変わらず、押し目買いの意欲は強いと述べた。
TOPIXの構成銘柄で下落率1位は
第一三共。取引開始前にブロック取引が複数件成立しており、フィリップ証券の増沢丈彦株式部トレーディング・ヘッドは、ディスカウントのブロック取引で買った投資家の一部が利益確定の売りをしたと考えられると話した。
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為替
円相場は1ドル=147円台半ばにやや下落。株安を受けたリスクセンチメントの悪化が円の支えとなる中、ジャクソンホール会合を控えて方向感は出にくかった。
三菱UFJ信託銀行資金為替部マーケット営業課の酒井基成課長は、基本的に22日のパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言待ちだと指摘した。「9月利下げが現実的な選択肢とされ、パウエル議長は利下げを否定しないだろう」と述べた。
FRBが20日公表した7月29-30日開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨によると、雇用を巡る懸念よりもインフレリスクの方が大きいと大半の当局者が指摘した。酒井氏は、FOMCは「雇用統計の発表前だったので、ひっくり返っている可能性がある」と分析している。
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