欧州中央銀行(ECB)のシュナーベル理事は、ECBが金利を現在の水準で維持するべきだとの考えを示した。ロイター通信に語ったもので、インフレリスクは上方向に傾いていると指摘した。
2日に掲載されたインタビューでシュナーベル氏は、欧州経済が米国との貿易摩擦にもかかわらず持ちこたえている一方で、インフレ率は今後数年に予想を上回る可能性があるとの見方を示した。
シュナーベル氏は「金融政策は既にやや緩和的になっている可能性があり、従って現在の状況でこれ以上の利下げを行う理由はないと考えている」と述べた。また「関税は差し引きでインフレ要因であると引き続き考えている」と語った。
出典:ブルームバーグ・エコノミクス ECBは11日に政策を発表する。市場では2会合連続での据え置きとの予想が大勢だ。
2日にはEU統計局(ユーロスタット)が8月のユーロ圏インフレ率速報値を発表する予定。アナリストは2.1%と7月の2%からわずかな上昇を予想している。
シュナーベル氏は7月会合の前にも、追加緩和には「非常に高いハードルがある」と述べており、複数のECB当局者がその後に同様の見解を示している。物価上昇率が2%前後で推移し、経済成長も維持されている現状では、金利水準は適切との認識が広がっている。
シュナーベル氏は、米国での食品価格の急上昇に加え、関税や拡張的な財政政策の影響により、インフレのリスクバランスは「上方に傾いている」との見方を示した。
また、インフレ率が目標を下回る状態が長期化することへの懸念については否定的な見解を示し、「ここ何年もインフレ率が高過ぎたことを踏まえると、インフレ期待が下方に乖離(かいり)する可能性は極めて低いと考えている」と述べた。
シュナーベル氏はさらに、貿易の動向、高水準の政府支出、そして人口高齢化といった要因により、世界的に金利が市場の予想より早く引き上げられる可能性があるとの見通しを示した。
「世界の中央銀行が再び利上げに踏み切る時期は、多くの人が現在想定しているよりも早まる可能性があると考えている」と述べた。
トランプ米大統領による連邦準備制度理事会(FRB)への攻撃について問われると、米国で中央銀行の独立性が損なわれれば、世界的に借り入れコストが上昇する恐れがあると警鐘を鳴らした。
「中央銀行の独立性を弱めようとするいかなる試みも、中長期的な金利上昇を招くことになる」と語り、「そうならないことを強く望んでいるが、もしFRBの独立性が失われるような事態になれば、世界の金融システムに大きな混乱を引き起こし、ECBにも影響を及ぼすだろう」と述べた。
原題:
ECB Should Keep Interest Rates Steady, Schnabel Tells Reuters(抜粋)




