欧州中央銀行(ECB)のデギンドス副総裁は17日、フランクフルトで講演し、世界経済や貿易の見通しが不透明な中で、引き続き金融安定リスクが高いとの見方を示した。
デギンドス氏は「地経学的な動向や変動の激しい国際環境における、関税の最終的な影響の不確実性を考慮すると、ぜい弱性は依然として高い」と語った。また、同氏はリスクとして「金融市場の高いバリュエーションと集中、関税の影響を受けやすい企業への信用リスク、主要先進国におけるソブリンリスク」を挙げた。
こうした背景から、デギンドス氏は銀行および広範な金融システムの回復力を維持することが「極めて重要」だとし、「非銀行部門に対するマクロプルーデンシャル枠組みに対する、監視の緊密化と強化」を求めた。
ECBは来週、年2回の金融安定レビューを発表する。同レビューでは、域内企業の主要な資金源である銀行に対する脅威の高まりを評価する。ユーロ圏経済はこれまで、デギンドス氏が指摘した脅威に対し、想定以上の堅調さを示しており、ECB内では現時点での追加利下げは不要との見方が大勢を占める。
世界の中央銀行や金融監督当局はこのところ、人工知能(AI)企業に対する過大評価、連邦準備制度理事会(FRB)の独立性への懸念、ステーブルコインの急増といった金融安定リスクについて警告を発している。
ドイツ連邦銀行(中銀)は今月、地政学的緊張、貿易戦争、欧州全域での公的債務増加が、ドイツ金融システムの安定性を圧迫しており、株式・債券価格が既に「著しく高騰」している中で、市場の急激な下落リスクを高めているとの懸念を示した。
国際通貨基金(IMF)も10月、非銀行系金融機関の危険性を強調した。ヘッジファンドやオルタナティブ資産運用会社といった金融システム内の他の部分に亀裂が生じれば、伝統的な貸し手は「重大な」資本損失を被る可能性があるとしている。
原題:
ECB’s Guindos Says Financial-Stability Risks Remain Elevated(抜粋)






