2日の日本市場では債券が下落。米国で経済指標を受けて急激な利下げ観測が後退、金利が上昇基調となった流れを引き継いでいる。為替は前週末の円売り・ドル買いの流れを引き継いだ後、ドル売りが優勢だ。株は前週末終値を挟み方向感が定まらない。
8月30日に発表された7月の米個人消費支出(
PCE)は伸びが加速した一方で、変動の大きい食品とエネルギーを除くコア価格指数は緩やかな伸びにとどまった。ミシガン大学が発表した8月の
消費者センチメントは5カ月ぶりに改善した。
米経済がソフトランディング(軟着陸)できるとの見方が強まり、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ幅が50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)ではなく、25bpとなる可能性が意識された。
今週は世界の金融市場を大きく動かしかねない重要な米経済統計が発表されるため、投資家は積極的にポジションを傾けにくい。最大の注目は6日の雇用統計。その前には供給管理協会(ISM)の製造業や非製造業の景況指数、求人件数、ADP雇用統計も予定されている。
日本市場の株式・債券・為替相場の動き
長期国債先物9月物は一時前週末比21銭安の144円51銭に下落
新発30年債利回りは一時2.5bp高い2.115%と、8月8日以来の高水準
新発10年債利回りは1.5bp高い0.905%
円は対ドルで0.2%高の145円90銭-午後1時36分現在一時146円60銭と8月21日以来の安値を付けた
東証株価指数(TOPIX)は0.2%安の2706.68-午後1時36分時点
日経平均株価は0.2%安の3万8572円44銭
債券
債券相場は下落。前週末の米金利が上昇した影響に加え、3日の10年国債入札と5日の30年国債入札に対する警戒感から売りが優勢だ。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鶴田啓介シニア債券ストラテジストは「10年債入札に向けて利回り水準を調整したい動きが出ている」と指摘。超長期債にも売りが目立っており、「買い手が上値を追いかけず、30年債入札に対する警戒感もある」との見方を示した。
一方、岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、日本銀行による早期の利上げ観測は後退しており、「積極的な現物売りも出にくい」と指摘。5日に予定されている日銀の高田創審議委員の講演も「日銀正副総裁のこれまでの発言に近い考え方を示す可能性が高い」とし、相場への影響は限定的とみている。
外国為替
東京外国為替市場の円相場は小幅高。米経済指標がインフレの落ち着きと共に消費の底堅さを示したことで9月の大幅利下げ観測が後退、ドル買い・円売りが進んだ前週末の流れを引き継ぎ、一時146円台半ばまで下落した。ただ、2日は米国市場が休場となるほか、今週の米雇用関連指標を見極めたいとしてドルに調整売りが出ている。
りそなホールディングス市場企画部の井口慶一シニアストラテジストは「日本株の下落に絡んで円が買われたが、日本株が下げ止まり、大きな動きにはなっていない」と指摘。基本的には米雇用統計待ちで、「145円台後半から146円を挟んで上下しながらメインイベントを迎えるのではないか」と述べた。
株式
東京株式相場は上昇して開始したものの、下落に転じた。中国経済への懸念が米経済に対する楽観的な見方を上回った。
中国の製造業活動、4カ月連続で縮小-逆風強まり成長目標達成困難か
レーザーテックやディスコ、SCREENホールディングスといった半導体関連株が下落。中国が日本政府に対し、中国企業への半導体製造装置の販売や関連サービスの提供をさらに制限すれば、厳しい経済的報復措置を講じると警告したことを受けた。
中国、新たな半導体規制巡り日本に報復を警告-関係者
セゾン投信の瀬下哲雄マルチマネジャー運用部長は、前週末に中国政府の住宅支援策の期待で上昇していた中国株が、中国の住宅や製造業の景況感に関する悪いニュースで下落し、投資家のリスク選好度が低下したと指摘した。





