8月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は、4カ月連続でプラス幅が拡大した。エネルギー価格が高止まりするとともに、食料や家庭用耐久財が上昇し、全体を押し上げた。日本銀行の利上げ継続姿勢に対する市場の見方は維持されそうだ。
総務省の20日の発表によると、コアCPIは前年同月比2.8%上昇。日本銀行の目標の2%を上回るのは29カ月連続。エネルギー価格が12.0%上昇と前月から横ばいを維持したほか、生鮮食品を除く食料は2.9%上昇と15カ月ぶりに上昇幅が拡大。家庭用耐久財は7.7%上昇と4カ月連続で伸びが加速した。
日銀による7月末の追加利上げや米経済の後退懸念などから8月の金融市場は大きく不安定化し、足元も神経質な動きが続いている。20日の金融政策決定会合では現状維持が見込まれているが、植田和男総裁は市場変動後も、経済・物価情勢が見通しに沿って推移すれば、利上げを続ける姿勢に変わりはないと表明している。今回のCPIの結果は日銀の利上げ継続姿勢をサポートする内容となった。
明治安田総合研究所の小玉祐一フェローチーフエコノミストは、市場はまだ安定していないため、今会合で日銀は金利を据え置くと予想。一方、2%物価安定目標に向けて「オントラック(順調)と言える状態なので、正常化を進めていくというスタンスは変わりないと思う。年内の追加利上げはあり得る」と語った。
複数の関係者によれば、7月の利上げとその後の金融市場の不安定化の影響を見極めるため、9月会合での再利上げの必要性は低いと日銀はみている。ブルームバーグのエコノミスト調査によると、注目される次回の利上げ時期は12月が最多で53%。来年1月までに行うとの見方が9割近くを占めている。
調査リポート:日銀9月会合は現状維持予測-12月利上げが5割
8月の生鮮食品とエネルギーを除いたコアコアCPIは前年同月比2.0%上昇と、2カ月ぶりにプラス幅を拡大した。
賃金動向を反映しやすいサービス価格は1.4%上昇となり、前月から横ばいだった。好調な春闘が反映されて基本給の伸びが32年ぶりの高水準となる中で、賃金から物価への転嫁が進展するかが利上げ継続の鍵を握る。
大和総研の久後翔太郎シニアエコノミストは、サービス価格において、「賃金と物価の循環的な上昇が強まっているところを確認するには至らないが、ある程度機能している状況は維持しているのは見てとれる」と指摘。現時点で物価の基調は日銀の見通しに沿った形できているが、先行き円高圧力が強まることが予想される中、企業業績や賃金への影響を注視する必要があると述べた。
総務省の説明
生鮮食品除く食料の上昇の主因は米類の価格上昇。猛暑による出回り量の減少と外食需要の高まりを反映し、前年比28.3%上昇と1975年9月(49.5%上昇)以来、48年11カ月ぶりの高い上昇幅
エネルギーは、電気代(26.2%上昇)が1981年3月(41.2%)以来の高い上昇幅となったが、ガソリン代が下落に転じ、全体の伸び率は前月から横ばい
8月のコア522品目のうち上昇は387品目、下落が100品目。7月は上昇392、下落94で、上昇品目数は減少傾向、下落品目数は増加傾向にある
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