「AI工場」スターゲート推進決意、アルトマン氏と孫氏に揺るぎなし
記事を要約すると以下のとおり。
赤土の上をコンクリートや電線を積んだトラックがクレーンや掘削機の間を縫うように走る。AI向けデータセンターなどを全米各地に整備する計画で、3社が表明している投資額は最大5000億ドル(71兆7600億円)常識的には実現困難に見える規模だが、少なくともテキサス州アビリーン)Photographer:BobbyScheidemannforBloombergBusinessweek クルーソーはAIデータセンター建設を支援するスタートアップ。ロックミラー氏によると、アビリーンのデータセンター建設費用は約120億ドルに達すると見込まれ、この金額には完工後に設置される数十億ドル相当のエヌビディア製半導体は含まれていない。 スターゲートを主導する3社も似たような状況かもしれない。ソフトバンクGはかつて1000億ドル規模のファンドを立ち上げたが、さほどうまくいかなかった。初期の計画では、米国内に少なくとも10拠点を短期間で建設する目標が示されている。ソフトバンクGの孫正義CEOは、建設作業員の確保や大量のコンピューターが必要になると認識していた。アビリーンの施設では1.2ギガワットという膨大な電力容量を確保する計画で、自前のガス火力発電所も建設されている。3月時点では一部の部屋が配線作業中で、感電のリスクがあるため立ち入り禁止となっていた。今はスピードが非常に重要だと、ロックミラー氏は建設現場で小型車両を運転しながら語った。事情に詳しい関係者によると、このイベントは数日間で急きょ準備されたという。より高度なAIにはより大量のデータと計算資源が必要になるという「スケーリング則」を提示する内容で、執筆者の中には、のちにライバル企業アンソロピックを創設するダリオ・アモデイ氏もいた。アルトマン氏がこのプロジェクトを「スターゲート」と命名したのは、オープンAIの初期のデータセンター設計が、1990年代の同名のSF映画に登場する、ワームホール(時空のトンネル)を開くリング状の装置に似ていたことに由来する。 「最も難しかったのは、取引の枠組みの決定だった。」 ただ、枠組みはまだ完全には固まっていない。ソフトバンクGは追加資金調達など財務面を担当する。 将来の建設予定地について、ソフトバンクGはこれまでに数十の金融機関やオルタナティブ資産運用会社と協議してきたが、合意には至っていない。 しかし、ソフトバンクGの実行力について全ての人がそのように楽観的なわけではない。 孫氏は英語でのインタビューで、「ただ、信念と情熱を持っていれば、こうした失敗や傷から多くを学べるし、それが自分を強くしてくれる。」同氏の方針が変わるたびにコスト試算が変動するが、主に台湾積体電路製造(TSMC)が受託製造するエヌビディアのGPUは言うまでもなく、アルミニウムや鉄鋼などの建設資材も今後上昇傾向が続く見通しだ。テキサス州アビリーンの建設地Photographer:BobbyScheidemannforBloombergBusinessweek オープンAIが将来、これほど大規模なコンピューティング資源を必要とするかといった点も大きな疑問だ。アマゾンとマイクロソフトは一部のデータセンター計画を後退させている。「もっとコンピューティング資源と資本が必要だ」とし、「AIの開発と稼働のために大量の機器にアクセスできるようにしたいと語った。両社は1月にクラウド契約を改訂し、マイクロソフトが優先権を持つ限り、オープンAIがオラクルなど他のベンダーを利用することが可能となった。アルトマン氏は5月上旬にアビリーンの施設を初めて訪れた翌日に連邦議会で証言し、将来の拠点におけるデータセンター建設の許認可手続き迅速化に向けた支援を要請した。 協議が非公開だとして匿名を条件に語った関係者によると、クルーソーは、スターゲートでは既に建設中のデータセンターを借りる可能性もあるとしている。このデータセンターはスターゲートLLCの一部ではないものの、オープンAIが顧客として関与する予定という。 アルトマン氏は「もし必要な計算能力を魔法のように空中に出現させることができるのなら、おそらくわれわれは関与しなかっただろうが、この規模ではそれは不可能だ」と述べた。
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